第95回  オカダ・カズチカ選手は大した男です

既にプロレスファンならばご承知のように、3月10日のネットニュースに『オカダ・カズチカがAEWと「3年20億」契約(推定)』と東スポWEBで流れました。日本のプロレス業界においては破格な金額です。東スポ以外の他のスポーツ紙は発表していません。
大変失礼な話ですが、発信元が突飛なニュースで話題を引き付ける「東スポ」であり(私自身、東スポ記者さんとは親しくさせてもらっていますし、東スポファンです)、『「3年20億」契約(推定)』と書いてあるので、実際はどうなの、と思われた方もいるのではないかと思います。

話を少し戻します。
2月10日にオカダ・カズチカ選手と大阪で食事(第92回掲載)をした時の話です。
この時の私は「WWEに行くのか、AEWに行くのか」と質問したところで答えるはずもなく、あえて野暮な質問は控えました。勿論、ギャラに対しての話もしませんでした。ところが、オカダ選手から「アメリカのプロレス団体では、プロ野球選手が大リーグに入団するのと同じくらいのギャラがある」との話が出ました。その時、私はギャラの話を展開せず、アメリカのプロスポーツに話題を移してしまいました。
私は「アメリカでは、大リーグよりアメリカンフットボールが1番の人気ではないのか」と言って、オカダ選手も「NFL(アメリカンフットボール)が第1位で、次に、八村塁が活躍しているNBA(プロバスケット)であり、第3位にMLB(メジャーリーグ)とUFC(格闘技)、WWE(プロレス)、と話が続きました。日本では超人気の大谷翔平選手ですが、アメリカでは多少人気の温度差があります。むしろ、大谷翔平選手とWWEの中邑真輔選手とは、アメリカでは知名度としては同じかもしれません(日本では考えられませんが・・・)。
そんな中でのオカダ・カズチカ選手「3年20億」は、大いにあり得る話です。あの食事の時から既に決まっていた話かもしれません。だから、オカダ選手から少し言いかけたのでしょうか。
今から考えれば「アメリカのプロレス団体では、プロ野球選手が大リーグに入団するのと同じくらいのギャラがある」の話題を続ければ、「3年20億」の特ダネ(笑)は得られたかもしれませんが、多分賢いオカダ選手の事だから言わなかったでしょう。

もし猪木が生きていたなら、オカダ選手「3年20億」はどう言うでしょうか。
「3年20億?小さい小さい。おれなんか、20億の借金を一瞬にして肩代わりさせたんだから」と負けず嫌いの猪木は言っているかもしれません。
私自身、直接立ち会った事はありませんが、一説によれば、猪木がブラジル事業で抱えた約20億の借金を佐川急便創業者である佐川清会長が肩代わりしてくれた、という話です。次の話も語源は定かではありませんが、猪木の生涯稼いだ金額は200億と聞いています。しかし、最後は財布の中身は空っぽに近い状態でした。猪木らしい話です。

いずれにしろ、現代のプロレス界のトップスター、オカダ・カズチカ選手が多くの青少年に夢を与える金額でAEWに入団しました。現役選手の誰よりもオカダ・カズチカ選手は、猪木の「闘魂論」を熱っぽく私に話してくれました。大した男です。
天国の猪木も素直に評価していると思います。

次回、3月25日に掲載予定です。
(「天国の猪木へ」は不定期掲載です)

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