第57回  私の役割

10月10日夕刻。私は寛子さんの代理人である弁護士先生の事務所を訪れました。猪木の弟の啓介さんは、先に到着していました。この日、私は寛子さんの代理人に9月12日の「一周忌法要及び記念碑除幕式」や10月1日の「命日墓参受付記帳」等を報告しました。
私の周辺ではそこまでしなくてもいいのではないか、とのアドバイスも少なくはありませんが、当初より1年間だけはそのような対応をしようと心掛けていました。

弁護士先生には「一周忌が終わり、ほぼ9割がた私の役割は終わったと思います」と伝えました。あとは映画の結果等が残っています。
しかし、なんと言っても「アントニオ猪木に国民栄誉賞を授与させる会」に頂いた、多くの方々からの署名を何とか実現する事が自分の仕事だと思っています。
9月の中頃に弁護士先生に「ロスに行って、寛子さんへ報告に行こうと思っている」と伝えましたが、寛子さんからは「スケジュールが合わないので、来なくてもいい」との回答が来ました。
こちらから具体的なスケジュールを伝える前に回答が来たので、たぶん私に対して気を遣って言われたのかと思いますが、兎に角、タイトなスケジュールの中で寛子さんと面談する日を1日だけ取りました。弁護士先生には「ホテルで1日待機しておきます。彼女のスケジュールが合えば、お会いすることができます。万が一会えなくても、ロスの空の下で猪木さんにホテルから報告したいと思います」と伝えました。

寛子さんの代理人である弁護士先生は、私の心情を理解し「わかりました。寛子さんにはそのように伝えておきます」との返事を頂きました。隣で啓介さんは、そこまでしなくてもいいのに、と私に気を遣ってくれましたが、啓介さんにも「ご遺族の方には申し訳ないが、ご遺族の為にしているのではなく、これは猪木さんの為にしているのです」と返事をしました。

弟の啓介さんには色々な場面で私に対してお礼を述べて頂き、かえって恐縮しています。
大本山總持寺から連絡が入り、
猪木の慰霊塔や記念碑、そしてブロンズ像を建立している「猪木家」のお墓の清掃・管理は本来檀家すなわち「猪木家」のご遺族の皆さんがされるのですが、今後どうされますか、
との問い合わせを受けました。それらのことも含め、猪木家檀家の代わりに私たちが、いわゆる「墓守」までを引き受けることにしました。おそらく、今後多くのファンの方が来られることによる献花やお供え物についての花下げやお供え物回収、お線香の燃えかす掃除等「墓地清掃」を猪木家檀家に代わり、代々していくことを大本山總持寺にお伝えしました。

そういう意味では、一周忌を終えたからと言って完全に解放されるわけではありませんが、これも猪木と出会った宿命と思い、私の生きている命の限り誠意を持って「墓守」をやりたいと思います。

結局は、猪木からは逃れられないということです。
猪木さん、サンキュー。

次回、10月15日に掲載予定です。
(「天国の猪木へ」は不定期掲載です)


【追記】
10月1日付でメールを頂きました。
「こんにちは、初めまして、1万円でも寄付は可能でしょうか?猪木フアンより。」

ありがとうございます。猪木に伝えておきます。そのお気持ちで充分です。
心から感謝します。

また、10月6日付で「いつも拝見してます」との件名で、匿名にてメールを頂きました。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。恐縮しています。

「涙が止まりません。
ご苦労ありがとうございます。
納骨はまだですが当分の間は、寛子さんとの生活がよろしいかと思います。
力道山先生の付き人時代から、誰かに見られてきた猪木さん。
やっと訪れた家族との休息を、大事にしてほしいです。
青森のお墓とのトラブル回避にもなりますし、横浜に納骨されたらされたで騒ぎの元になると思います。
これから、猪木さんをさがしてきます。
それでは。」

たぶん前日の10月5日付を読んで頂き、心配して頂いたのでしょうか。大変申し訳ありません。
そして、感謝します。

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