第45回  いよいよです

昨年の10月1日に猪木が亡くなってもうすぐ1周忌です。この間にいろんな事がありました。私自身にとっても猪木に関する行事があまりにも多くありました。しかしこれは多くの人の協力によって成し得た訳です。そしていよいよアントニオ猪木のブロンズ像も完成します。

8月30日の午後にアントニオ猪木のブロンズ像を制作している美術会社の社長から私と猪木の実弟である啓介さん、そしてブロンズ像制作に協力して貰った原悦生カメラマンへの連名でメールを貰いました。メールを読みながら、いよいよ近づいてきたなと思いました。そして時間の流れを感じました。(原文そのままですが、実名部分だけは●にしています)

『本日の午前、〈アントニオ猪木先生の像〉〈台座銘板〉を墓石施工会社●に届けて来ました。
弊社の工場では何度も目にしたアントニオ猪木先生の像ですが、本当に良い像になったと思います。
全体的に静かで端正(たんせい)な面持ちの中に、途轍(とてつ)もない力強さが漲(みなぎ)る圧巻の半身像です。
細部や構成を申し上げれば、啓介様が指摘された頭髪の襟足の巻き毛の様子があり、試合やトレーニングを終えたお兄様を隣から見ておられる情景が思い浮かびます。
お兄様との近い距離、長い年月が刻んだ記憶が形に成ったと思います。
原カメラマンに教えて戴いた背中の両側にある大円筋の発達も注意深く再現しました。
この筋肉は打撃系の技よりも、組み合ってから相手を引っぱり込む時に使う怖い筋肉だと知りました。お陰様でプロレスラーならではの特徴が表現出来ました。

大円筋は、身体のモデルになって戴いたオカダ・カズチカ選手からも確認できました。
2月の寒い時期に腕立て伏せの準備運動を徐(おもむろ)に始められたのには驚きましたが、プロレスラーの筋肉の付き方を拝見させて戴いたのは本当に大きな収穫でした。
当初、力道山先生の胸像のように腕を前に組んだ像を目指しておりましたが、原カメラマンの指摘(アントニオ猪木先生は腕組みをする機会が少なく、腰に手を添えることが多かった)によりポーズが変更されました。
この事は記憶や事実の再現の意味が大きく、肖像制作の些細とは違う感慨深いエピソードと成りました。
腰に手を添えるポーズの形については、オカダ・カズチカ選手が色々と指の形を検討して下さりとても有難く感じました。
モデル撮影中、オカダ・カズチカ選手の『アントニオ猪木先生のために、出来る事は何でもしよう』と云う気持ちがストレートに伝わって来てかなりグッと来ました。

納品が終わり、●の社長に設置予定を伺っております。像の安全・除幕式のサプライズを考えて、9月●日の直前に設置するそうです。
天気の事もあるでしょう。立ち合える設置の日を擦り合わせております。』

私からお礼のメールを送信しました。
『お世話になります。このたびは「アントニオ猪木」ブロンズ像の製作に大変なお力を注いで頂き感謝申し上げます。9月●日、総持寺での「1周忌法要」と合わせて記念碑の除幕式にこの猪木ブロンズ像建立には一際、存在感を輝かせてくれると思います。今後、多くの猪木ファンの「心のよりところ」になる事でしょう。私も早く実際に立てられた姿を見たいものです。改めてお礼申し上げます』

いよいよです。

次回、9月10日に掲載予定です。
(「天国の猪木へ」は不定期掲載です)

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