2023年の年明け以降、私は前年10月1日にアントニオ猪木が亡くなってから以来、「猪木のお別れ会」等でほとんどの時間を猪木関連に費やしていました。その合間に起こった出来事を掲載しています。猪木関連の出来事は、「天国の猪木へ」をご参照ください。
3月28日。「柚子みつ」の発売発表会が「メディアドゥ」の会議室で行われました。
参加者は、「銀座仁志川」の管理職や直営店店長、加盟店オーナー様、そしてバター・乳製品・製粉会社等の協力関係企業の皆さんです。
前回も掲載しましたが、「柚子みつ」に使用している「木頭ゆず」は、「メディアドゥ」の藤田社長の故郷である徳島でしか生産地されない大変貴重なゆずです。
第1部である「柚子みつ」商品発表会のゲストとして、13年連続ミシュラン三つ星を獲得し続けている六本木「日本料理 かんだ」のオーナーシェフ神田裕行氏を迎えました。
神田シェフは徳島出身で、日本を代表する有名なシェフです。「木頭ゆず」に対する思い入れも非常に深く、私も何度かお店に訪れましたが素晴らしい日本料理店です。
そして、いよいよ第2部に特別セミナーとして、元「根上」の創業者坂根氏の登場です。セミナーは私との対談形式です。参加された社員や加盟店オーナー様、協力関係企業の皆さんから見れば、不思議な光景だと思います。1年少し前までは、「銀座仁志川」と競合関係である「根上」の創業者同士の対談です。こんな光景を誰が想像したでしょうか。企画した私自身が驚いています。
かつて「銀座仁志川」が「根上」のお膝元である大阪・船場に第2号店をオープン。この時、大阪の地元テレビ局が「銀座仁志川」を取り上げてくれました。おそらく、他のエリアならこんな番組づくりはしないと思いますが、なんとレポーターが「銀座仁志川」の食パンをわざわざライバルである「根上」の坂根社長に見せ、「相手は3年で100店出店すると言っていますが、どうします?」と問い掛ける場面がありました。テレビ画面に映った坂根社長は、「考え方が甘い。やれるもんならやってみろ」的な発言しました。その場面を管理職の皆さんと一緒に見ていた私は、「公共の電波を使って他社の出店計画をけなすとはどういう事だ」と半ば本気、半ば冗談で言った事があります(第575回 72歳の誕生日は「宣戦布告日」 2024年2月10日掲載)。
私は、そんな数年前の出来事を一瞬思い浮かべながら、坂根社長と対談する事になりました。私が一番最初に話題にしたのは、坂根社長のラジオ番組についてでした。
極力、「根上」についての話題を避けました。現在坂根社長が取り組んでいる「お芋」ビジネスについても話題にしました。そして、いよいよ核心に入ります。
「坂根社長が考える『根上』の強みと弱みはなんですか」
これが、私が考えた2人の対談のメインテーマになります。90分という限られた時間で、この事が私にとっての「核心」です。もちろん、この対談に事前の打ち合わせは一切ありません。もし坂根社長が何か気に障る事があれば、途中で席を立つ事もあり得ます。そうなればこの対談は大失敗です。前半の60分は、ほとんど「根上」の話題を避けていましたが、いよいよ残り30分です。坂根社長には、「根上」強みと弱みを包み隠さず話してもらったと思います。その内容は、私が事前に考えていた事とほとんど同じでした。
いずれにしても、「高級食パン専門店」は過去に事例のないビジネスであり、それはベンチャービジネスと位置付けしてもいい事を、2人の対談で認識しました。
ベンチャービジネスは「時間との勝負」であり、「トライ&エラーを躊躇しない」という概念から言えば、今後はライバルとの問題ではなく、あくまでも自社の確立をしなければならない事をこの対談を通じて強く認識した次第です。開業当初はライバルの動きを常に見ながら経営していましたが、この日を境に私は、「銀座仁志川」の独自性を強く打ち出す事を決めた瞬間でもあります。
最後に、このような対談の場面を作っていただいた坂根社長には心より感謝します。
大変勇気のいる事だったと思います。
次回、10月20日に掲載します。
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