代表取締役 湯川 剛

株式会社銀座仁志川は、混成チームのような組織です。私自身、製パン業界を含め、ベーカリー業界においては全くの部外者であり、ベーカリー経営は全くの素人です。
株式会社銀座仁志川が設立された時も、製造に関しては髙橋社長が担当し、私は販売分野を担当する事は既に掲載しています(第553回 3人の役割 2023年7月1日掲載)

ただ「組織」を構築する事は、異なる分野であったとしても本質的にはそう変わりません。株式会社銀座仁志川を設立するにあたり、当初は色々な会議や勉強会を開催しました。私にとって銀座仁志川は「ゼロからの創業」であり、どこかで非常に嬉しい気持ちでした。とはいえ、OSGを創業した当時のように「5人5坪からのスタート」とは勝手が違います。キャリアを積んだ人達が集まっての混成チームです。特に、パンを作る経験はないので、それは工房長にお任せするしかありません。ここがOSG創業時の「ゼロからの創業」とは異なる点です。

銀座仁志川には、社内において月例会議として「役員会」があります。当然の事です。
それ以外に「全体会議」があり、「工房長会議」「営業会議」等があります。
社外的には、年2回春・秋の「加盟店オーナー会議」があり、それ以外にエリア毎の「加盟店勉強会(ENJINミーティング)」、そして「工房長勉強会」があります。
私自身が非常に力を入れたのは「全体会議」です。「全体会議」の目的は、ズバリ「組織」についてです。株式会社銀座仁志川は混成チームのような組織です、と言いましたが、それだけに「食パン専門店業界」の優劣は「組織力」の優劣に比例すると思っていました。基本的には「組織とは何か」から始まります。混成チームですので、会社運営の基本的なところからお互いに勉強しました。

そんな中で、私が不得意とする工房分野での勉強会が、2021年7月に集中して行われました。その前月の6月には「工房ミーティング」が行われ、内容的には親会社OSGコーポレーションの考え方や「銀座仁志川」の進めるべき方向性、ブランド構築・出店戦略等を説明し、月1回の「工房勉強会」を翌月(7月)に行う事を決めました。工房は夜間等のシフトがあり、朝8時からの勉強会等もあり、その全てに私は参加しました。というより、私が講師となって行ったわけです。パンを作る事は全くの素人なので、それを教える勉強会ではありません。むしろ、「仕事に対する考え方」「生き方への考え方」等が中心です。中には、OSGから派遣された工房メンバーもいます。彼らはパン作りには全くの素人から出向しました。製造部長らの指導の下、それなりのパン作りは1年も経てば覚えます。むしろ、OSG時代に私と接していない社員さん達が銀座仁志川に出向してきた事で、改めて私から直接指導を受けます。もちろんOSG文化とは全く無縁であったパン職人の方もいます。その混成チームに対して「工房勉強会」が開始されました。
OSGの社員教育を濃縮したような内容を何度も繰り返し行いました。

銀座仁志川の初代製造部長である山本顧問が、加盟店から派遣された工房メンバーの研修で最初に話すスピーチがあります。「さあ、幸せな食パンを作ります」。
まさに、この言葉に集約されています。パンを作る人の人柄や考え方がパンの味や食感に必ず影響を与えます。人生に目標を持っている人やポジティブな人等、直接パン作りとは関係のないところに、実はパン作りの影響があります。こうして、工房勉強会は月間に8回程開催されました。


次回、12月1日に掲載します。

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