合宿初日に参加した私は、2日目には参加しないまま東京へ行きました。
創立100周年を目指す折り返し地点の51年目。私は山田新社長にOSGを全面的に任すと同時に、これからの新市場である「食」の分野に、私自身が特化して取り組みます。
OSGグループは今後、「水」「衛生」「食」の分野に進出する事を明確にしました。
創業以来、長年にわたり「水」の市場を開拓してきました。家庭用から業務用、そして産業用へと業態を広げ、更に水自販機や水宅配等、「水」市場を構築してきました。
そのような意味において、「衛生」分野については、今一つ成果の広がりがありませんでしたが、コロナ禍で一気にその存在感を見せてくれました。前期の業績は、むしろ「水」より「衛生」分野が牽引してくれました。次の市場は「食」です。3枚目のカードである「食」に対して、私自らが率先して市場を耕し、種を蒔き、数年後に次世代の手で果実を収穫できるようにしなければなりません。71歳からの新規参入ですが、気持ちはOSGを設立した23歳の気持ちと何ら変わりません
(本人が思っているだけで、周りから見ればかなり無理があると思います)。
初の飲食業界は知らない事づくしです。当然、OSGの社員さんにとっても未知の経験です。今までの私の流儀で行くと、未知の市場開拓は全て私自身が率先して取り組んできました。中国を含む海外進出、水宅配事業をはじめとする新事業の立ち上げも全て私自身がまずは体験します。それが私の流儀です。
銀座に志かわ設立の場合も、加盟店募集の説明会から店舗探しまで、まずは私が体験します。例えば、銀座に志かわには催事販売があります。いわゆる、駅ナカ催事の交渉においても、JRや大手私鉄会社に自ら出向き、交渉を行います。もちろん、その横にA社員を同席。正に現場でのOJT(On the Job Training)にて社員教育です。
話は変わりますが、JR訪問の1年後にJR品川駅の催事売り場で「銀座に志かわ」が初登場しました。この時は長蛇の列ができ、JR関係者も予想以上の成果に驚きました。
更に、このJR品川駅催事にて新しいヒーローが誕生しました。A社員が声を張り上げ、通勤客に呼び掛けてくれます。その声のトーンや言い方に私自身感動しました。
初体験のJR品川駅催事にて新記録の売上を構築できたのは、A社員の呼び込みを抜きにして語る事はできません。その後、社内では「催事のヒーロー」としてA社員が定着します。彼は、それから以降の鉄道会社をはじめ、百貨店等の催事を次々と決めていきます。また、この催事販売の成功が全国の加盟店様に採用され、広がっていくわけです。このようにして、「食」の市場販売のノウハウを一つ一つ、社員さんが引き継ぎ構築していくわけです。
最後に、駅ナカ催事でのエピソードを一つ。
大手私鉄会社の営業本部長を訪問し、催事の商談に入りました。実は、銀座に志かわは催事における手数料の基準が非常に厳しいです。例えば、売上の20%を要求されても、私どもは弊社規定の手数料でなければ受け入れません。そのため、この時は「不成立」となりました。このような上手く行かない場面も同席社員には見せておく必要があります。ところが、翌日にこの大手私鉄会社の営業本部長から電話を頂きました。結果的には、催事をさせていただく事になりました。その時の理由は、営業本部長が「銀座に志かわ」をあまりご存じでなく、面談後に営業本部の女性スタッフの方から「銀座に志かわ」のブランドの良さを営業本部長に説明して頂いた事です。大変ありがたい結果となりました。
次回、8月20日に掲載します。
ご意見、ご感想は下記まで
support@osg-nandemonet.co.jp