代表取締役 湯川 剛

12月25日。コロナ禍のクリスマスです。
夜に総務部長から電話が入りました。だいたい声のトーンでグッドニュースかバッドニュースかが分かります。もう少し説明を加えると、私に掛かってくる電話のほとんどはバッドニュースです。だから、電話が鳴ると多少「気合いを入れながら」出ます。以前、他の経営者と話していた時に部下からの電話について話題になりました。「だいたい部下からの電話は悪い報告が多い。だから緊張して電話に出る」との話でした。
「緊張しながら」電話を受ける事はなんとなく理解できますが、私はその気持ちはあまりありません。理由は、緊張の原因がネガティブな案件を想定しているからです。だから、どこかで「嫌だな」との感情が入っているのでしょう。私の場合の「気合いを入れながら出る」は「どのような問題でも解決しよう」と言う気持ちです。
「緊張しながら」も「気合いを入れながら」もあまり変わりませんか(笑)。

いずれにしろ、経営者の業務は電話を受け取る事さえ普通と違うのでしょう。だから、普通に電話に出るのは、友人からの電話以外はあまりありません。

さて、クリスマスの夜の電話に戻ります。
18時30分頃の電話でした。総務部長から「ついにコロナ感染者がOSGから出ました」との報告でした。私は今も「ついに」という言葉を妙に覚えています。それほど、総務部を中心に手洗いや三密の回避、除菌スプレーを持ち歩く事を社内徹底していたにも関わらず、の残念さから出た言葉だと思います。私は「コロナゼロ」は不可能だと思っていましたので、「そうか」だけでその電話を切りました。確か、出張先での感染だったと記憶しています。その為、そのM社員さんは年末年始を病院で過ごしたのではないか、と思います。いずれにしても、2020年12月25日のクリスマスの夜に想定外の思い出でした。コロナ感染した社員さんやご家族の方にとっても、この年の年末年始は今となっては笑い話になる思い出でしょうが、その当時はそんな余裕もありませんでした。

クリスマスから5日後の30日。
私は、OSGの溝端社長に電話をしました。
「50周年を終えた新年度からの新体制」を伝えました。
翌日の大晦日。
私はウォーターネットの山田社長に電話をしました。
前日と同じように「50周年を終えた新年度からの新体制」を伝えました。

冒頭に私の「電話を受ける」話をしましたが、同じように幹部の皆さんも私からの電話には多少の「緊張しながら」や「気合いを入れながら」出るのでしょうか。そうであれば、申し訳ない気持ちです。

2020年もコロナで始まり、コロナで終わろうとしています。
そして創立50周年記念式典も開催しないまま、2020年が終わろうとしていました。

次回、6月20日に掲載します。

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