代表取締役 湯川 剛

浄水器の知名度の低さから発生した誤報の新聞記事とはいえ、販売店さんからのキャンセル続きの影響は社員さんの士気低下に留まらず、次々と辞めていく状況でした。そんな中で残ってくれた社員さんでしたが、まともに話も出来ないという難題がありました。これを解決する唯一の方法は、社員教育以外の何ものもありません。話せない!という事は、お客様の前だけでなく社内でも意見を言わない訳です。社員教育の場であっても、話さないのです。多分意見は持っているのだと思いますが、それを発表する事が出来ないのです。それは私が小中学校時代にいじめられていた経験で分かるのですが、自分を表現する事が出来ないのです。そのような話せない社員さんに、まず話をさせるにはどうした良いのか、私は悩みました。

今でこそ、OSGの社員教育のカリキュラムに「話し方教室」がありますが、当時はそのようなものはありません。(話し方教室は、すでに他企業の社員教育では1万人を超え、昨年は中国の企業にも採用。大きな反響を呼びました。)
仕事を終えて寝るまでの時間は、この「悩み」に費やしていると言っても過言ではないくらい、悩みました。どうすれば話す事が出来るか・・・よくよく考えてみればおかしな話です。そんな事は採用の段階から分かっていた事ですが、恐らく仕事の出来る社員さんもいれば、単なる「ダメ社員」として片付けられたかもしれませんが、何しろこの「ダメ社員」に「少数精鋭になってくれ!」と言っているのですから、彼らを戦力にするしかないのです。人間は徹底的に悩み、考えると能力の神様かアイディアの神様か知りませんが、ひとつのヒラメキを与えてくれるようです。その手法が後々のOSGの社員教育の基盤となり、まさか他の企業の社員教育(GAT訓練)の誕生に繋がるとは夢にも思っていませんでした。

(次回に続く)

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