代表取締役 湯川 剛

古希を迎えた私は「未知の何かに挑戦したい!」というエネルギーが日に日に高まっていました。「何かに挑んでみたい」という事は、別の切り口で表現すれば「闘ってみたい」というような思いに掻き立てられていたと言えるでしょうか。
その「思い」が更にバージョンアップし「想い」になった頃、「まさか!」という事態が起こりました。
2017年の「出来事」を語る時、本日のお話を抜きに語る事は出来ません。
私の人生における「青天の霹靂」的出来事の中で、そのベスト10に入ります。

2017年3月6日11時半。私の携帯に電話が入りました。
発信者はアントニオ猪木氏が設立したIGFの社長である青木氏からです。
「猪木氏が依頼した弁護士事務所から連絡があり『22日以降の日程で、IGFの帳簿調査を行ないたい』と要望された」という内容でした。青木社長は私がIGFの監査役という立場を考えて電話をくれたのでしょう。

ここでIGFについて、私がわかる範囲で説明します。
アントニオ猪木の新日本プロレス、そしてジャイアント馬場の全日本プロレスがそれぞれ創業者である事は、プロレスファンなら誰もが知っている話です。
ところが自ら創業した新日本プロレスの株式を売却した猪木氏はその後、彼の支持者らが中心となって2007年3月に株式会社イノキ・ゲノム・フェデレーション (略、IGF)が設立されたと聞いています。設立当時、私は全く関わっていません。

この17年当時、猪木氏は参議院議員である為、IGFの会長を辞任し顧問の立場だったと思います。いずれにしてもIGFは、彼の為に設立された会社です。その会社に対し、猪木氏自身が弁護士事務所を使って帳簿調査をする必要があるのかなと不思議に思いました。そのような事をしなくても、「調べたい」と言えば済む事だからです。
私は青木社長に「調べて貰えばいいのではないか。しかし何故、弁護士事務所を通じてやるのか、不思議やね」と、そんな感じで応答したと思います。
私は猪木氏から依頼されて6年前からのいわゆる「頼まれ監査役」です。無報酬で毎月の役員会に出席し、その交通費として新幹線の回数券を都度頂いていました。
それにしてもわざわざ弁護士事務所を使って調査するというのは、ただ事ではないという気持ちもありました。

3月28日、IGFに対し弁護士事務所の調査が入ったと連絡がありました。
旅費・会議費・交際費・外注費などを中心に、帳簿のコピーが取られたとの事でした。
私は猪木氏個人の弁護士事務所を知っていましたので、翌日14時に事務所を訪ね、その真意を聞きに伺いました。仮に丸の内事務所としましょう。お互い、何度か面談をしたことがあり、お年玉を渡す間柄でもあり、丸の内先生も気さくに会ってくれました。
ところが、今回の話をしたところ「全くの寝耳に水だ」との事で、丸の内先生は知らないとの事でした。弁護士事務所からの調査と聞いたのでてっきり私の早とちりで丸の内事務所と思っていましたが、そうでない事に拍子抜けしました。
「これは猪木氏の発想ではなく、たぶんその周辺の人物達が何かの狙いでやっているのではないか」丸の内先生はそう言われました。
その上で「私がアドバイスをした事はオフレコで、IGFも第三者の弁護士と公認会計士に依頼して社内の調査をしたらどうか」と助言を頂きました。
それから数日後、調査結果がIGFに届いたと青木社長から連絡がありました。
その調査結果を聞き、驚きました。

その調査結果とは・・・。

(次回に続く)

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