代表取締役 湯川 剛

2017年1月2日、私は上海にいました。
16年11月。中国パートナーの金鋭氏より、中国の習近平国家主席が提唱している大構想経済圏「一帯一路」に関する説明会が深圳であり、OSGも説明会に招待されていると参加要請があった為でした。

1月3日、上海から深圳に移動。
ご承知のように深圳は北京・上海に並ぶ中国を代表する大都市です。広東省広州の中で最大の新興都市です。欧愛水基にとって最大の代理店もこの深圳にあり、これまでにも深圳は幾度も訪問しています。訪問の度に、その巨大な都市空間に驚かされます。街が常に変化している感覚です。
1月3日は金鋭氏の誕生日でもある為、欧愛水基の代理店オーナーらも多く集まりました。

翌1月4日。日本では「仕事始め」の為、OSGでは例年、初出式が行なわれます。
OSGは1月決算なのでお正月気分は毎年ありません。社長訓話や私からのお年玉もこの初出式の中で行なわれますが、2017年の初出式に私は不在でした。
この日、私は深圳の大きな施設にいました。1,000人超が参加するイベント会場には「黄河与珠江的対話」という大きな看板が至るところに掲げられ、中国共産党幹部や中国で有名な経済評論家等によるパネルディスカッション方式のセミナーが行なわれていました。通訳の社員さんによると、テレビでお馴染みの経済評論家達だという事でした。

さて「一帯一路」とは、習近平国家主席が2013年に提唱した中国と欧州をつなぐ広域経済圏構想です。かつての交易路シルクロードに沿ったもので、重要な国家戦略でもあります。中国から中央アジアを経由して欧州へと陸路で続く「シルクロード経済ベルト」を「一帯」とし、南シナ海からインド洋を通り欧州に続く「21世紀の海上シルクロード」を「一路」と呼んでいます。インフラ投資などを通じて中国と沿線の国の経済を発展させる一方、親中国圏を広げようとする狙いがあるとされています。いずれにしろ広大な経済圏構想です。

では何故、この説明会が深圳で開催されたのか・・・。
深圳は、今から約35年前はわずか50万人前後の人口でした。それが今や中国を代表する大都市に成長。人口もこの35年間で40倍の2000万人を超える都市になりました。
各地域からの人口移動が激しく、私の感想としては決して治安がいいとは思いません。いわゆる「よそ者」が寄り集まって出来た街。それが深圳なのですが、中国が大きく成長したシンボル的都市である事は間違いありません。
その深圳の成長ぶりをモデルに、この「一帯一路」の出発拠点である内陸部の韓城市を「第2の深圳」として作り上げたいというのが、今回の説明会の主旨でした。韓城市は、西安の近くにある小さな都市です。中国語が分からずとも、その熱気は肌で感じる位に説明会は盛況で大変な人出でした。

そんな中、韓城市の副市長・市幹部らとの昼食会に呼ばれました。金鋭氏をはじめ、欧愛水基の有力代理店の社長ら20名程で円卓を囲みました。
「一帯一路」の壮大な話は、「飲料水」に話題が及びました。中国全土のどこを見ても、日本と比較してまともな水道水はありません。いや、世界中のどの国、どの都市であっても日本の「上水道」に匹敵する水道水を探す事は出来ないでしょう。
「一帯一路」の韓城市においても「飲料水」は大きな問題だという事でした。

その時、金鋭氏から「OSG製品を韓城市で使って貰ってはどうか」との提案があり、私は「わかりました。では、市長・副市長、そして本日参加の幹部の皆さんのご自宅用にアルカリイオン整水器を10台、無償進呈しましょう」と発言しました。
副市長・市幹部達らは大喜びで「乾杯!」「乾杯!」と、昼食会は大変盛り上がりました。欧愛水基の有力代理店オーナー達も「韓城市の市長はじめ幹部の皆さんらがご自宅でOSG製品を使用される事は、私達にとっても大きなPRになる」と言って、一斉に拍手が沸き起こりました。

こうして盛り上がった昼食会でしたが、終了後、私は金鋭氏から注意を受けました。

何が問題だったのでしょうか。

(次回に続く)

ご意見、ご感想は下記まで
support@osg-nandemonet.co.jp