代表取締役 湯川 剛

いつ発症するか分からない爆弾を首に抱えホノルルマラソンに参加しました。新入社員の皆さんの生涯の思い出となるマラソンに挑む雄姿をカメラ係としての参加です。
マラソン前日。ホノルルの日本語ラジオ番組を聞いていました。その中で、がん患者の人達とマラソンに参加している日本人がいるとの内容でした。私はその人の名前も団体名もメモする事無く漠然と聞いていましたが、何か感じるものがありました。その時のラジオでの話で「恐らく一番最後辺りで走っていると言っても歩いているのが私達です」というコメントだけが頭に残りました。
マラソン当日、私はカメラ係としてゴールに向かってハイウェーを歩いていました。
そうすると赤いTシャツを着た出場者数名が、向こうから走っているというよりは歩いていました。スタート地点から20キロあたりです。という事はあと20キロある訳です。その時に私は「昨日のラジオに出ていたがん患者の人達だ」と思い、声を掛けました。その時にその主催者が杉浦貴之であると教えて貰いました。彼の事は後ほどの「人プラ」で登場します。マラソンの事は前回に掲載しました。

さて、新入社員の皆さんはマラソン出場した翌日は休暇です。私は帰国後に採血検査とレントゲン撮影をする為、1日早くホノルルを離れました。日付が変わった日本時間の15日に羽田到着。
翌16日に東京医科歯科大で検査。翌17日には上海に飛びました。
東京医科歯科大の担当教授が私のスケジュールを聞き「湯川さんは自分自身がどのような状態にあるのか理解しているのですか」と驚きと呆れ返っていました。勿論、注意も受けました。「医者の立場としては手術を勧めるが、年齢を考慮してもし不便でなければ、まずはそのまま生活をして下さい。しかしくれぐれも首に爆弾を抱えている気持ちだけは忘れないで下さい」の話に神妙に聞き入っていました。
慌ただしい3泊4日の中国出張を終え、帰国翌日の12月21日に東京医科歯科大で3泊4日の検査入院をしました。久しぶりの入院です。
この時間を「読書タイム」として以前に読んだ「不毛地帯」(著:山崎豊子)3巻を持ち込みました。入院検査は脊髄造影検査やCT等、かなり痛みを伴う事もありましたが、私にとっては良い「読書タイム」になりました。

12月26日、私は北京にいました。例の「健康食品ショック」で逮捕者が出た北京代理店の董事長と面談する為です。ハルピン・大連、河南省等の過去の天然社時代の大手代理店の社長達も北京に集まっていました。それは翌27日に北京代理店が「1000人大会」を開催するとの事です。董事長の話によると顧客との誤解もあり、結果的には逮捕劇は冤罪であるとの事です。そこで顧客が1000人集まり北京代理店の董事長を応援する為の「1000人大会」を開催するとの事です。とてもじゃないですが日本では考えられないイベントです。このようなイベントに招待された場合、参加するのが中国ビジネスの付き合い方です。

2泊3日の北京出張を終え、仕事納めの12月28日の夕刻に関空に到着しました。
29日は恒例の幹部会議に出席にて31日の午前中までが私の仕事納めです。午後に東京に移動し、これも大晦日の恒例になった「紅白ぶっ飛ばせ」と各局が格闘技番組を放映されますが、IGFも両国国技館で「イノキボンバイエ」を開催していました。勿論、私も観戦し、慌ただしい2015年も終わりました。

2015年の主な出来事としては年の初めに「北京の代理店幹部が逮捕されました」という驚きの第一報から始まりました。これが私が名付けた「健康食品ショック」の始まりです。お年寄りに1年分の健康食品を売りつける事が欧愛水基の代理店に限らず中国全土の健康食品会社が行なっていた行為でした。欧愛水基の代理店が健康食品の販売に力を入れ、ここ数年アルカリイオン整水器が売れなくなっていた現象でもありました。
中国当局が中国全土の健康食品会社に対し「100日間の業務停止」を発令しました。中国共産党らしい政策です。その間に公安当局等が調査するとの事です。
この発令は欧愛水基にとってはプラスに動きました。改めて代理店が「アルカリイオン整水器の販売を行なう」との流れになりました。ところが長年アルカリイオン整水器を販売していない関係から商品知識不足の解消の為に「教育のやり直し」を行なうのですが、広い中国全土に点在している代理店に対しては交通費や人件費等、莫大なコストがかかります。
ここに当時より流行っていた「基地旅行」という企画があり、日本的に言えば、お客様の招待旅行での販促です。この仕組みを使えば、わざわざ代理店に出向かなくてもこちらに来て貰える訳です。ただ、来る為には何か目的がなくてはなりません。それが「OSG水科学館」の構想です。更に工場見学となり、これが「呉江工場の上海移転の決定」へと続きます。

2015年の年の初めに起こった「健康食品ショック」が「呉江工場の上海移転の決定」につながるとは想定外の出来事です。また日本のテレビのニュース番組で「中国人数千人がフランスに観光旅行」等を他人事のように見ていましたが、それが「基地旅行」という事も後々分かって来ました。この「基地旅行」が「OSG水科学館」構想につながる等、年の初めにはなかった想定外の出来事です。
想定外の出来事ナンバー1と言えば、何と言っても自分自身が難病指定の「後縦靭帯骨化症」に発症したという事です。
まさに人生は「上り坂」「下り坂」に「まさかの坂」といいますが、「まさかの坂」が次々と起こってきます。

さぁ、2016年はどのような年になるでしょうか。

 

【追記】
① 今回の「人プラ」に使用した『人生には3つの坂があり「上り坂」「下り坂」に「まさかの坂」がある』

私は最近、このような事をいう時には『・・人生には3つの坂があるとよく言われますが、最近は3つの坂どころか、4つも5つもありまして・・・
「上り坂」「下り坂」に秋元康プロデュースの「乃木坂」「欅坂」「日向坂」それに「吉本坂」等の楽しい坂道シリーズもありますが、最後は「まさかの坂」があります』

一度そのような言い回しをする時に使って下さい。 ウケないかもしれません。自己責任でお願いします。

(次回に続く)

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