代表取締役 湯川 剛

OSGの決算は1月です。
OSGの年間予算はだいたい上期55対下期45の比率で売上や収益が予算化されます。
ところが前年の実績は上期が予定通りに進まず、その為下期においてその分、頑張らなくてはなりません。前期の下期は「上下(かみしも)逆転」をテーマに挑みました。上期より下期の方がやや売上計上するのが弱かったOSGですが、結果的にやり切ってくれました。
最後の追い込みの強さをまざまざと見せてくれました。社員さんに感謝。

「上下逆転」をやり遂げ、息つく暇もなく新年度が始まりました。
毎年2月第1土曜・日曜日は合宿です。2013年2月2日が第1土曜日でした。
『2月からは新年度が始まります。中長期事業年度「第8次3ヶ年計画」スタートの年です。
今年は巳年ですので蛇に関する話をします。「脱皮出来ない蛇は死ぬ」の例え通り、常に企業は生き物であり、その運命から逃れる事は出来ません。ここで脱皮できなかった蛇の事例を学び、私達の教訓にしたいと思います。
20世紀の殆どの100年にわたってフィルム業界に帝王として君臨してきたコダックが昨年の2012年に倒産しました。この要因はスマホの写真機能の進出が原因です。
巨額な資金や知名度がありながら、コダックは自らの過去の成功体験から抜け出すことが出来なかったのです。すなわち脱皮出来なかった訳です。それに引き換え、帝王コダックの下で同じようにフィルム業界で小動物のように身を置いていた富士フィルムやコニカミノルタはその持てる強みを生かし、スマホ時代に過去の体験を捨てて化粧品業界やIT関連精密機器業界に転身を図り成功しています。このような事例は山ほどあります。OSGも例外ではありません。
前期より、今期によりよい方向へと考え努力するのであって、前期のままの延長線で今期を迎えるものではありません。

また社員さんの皆さんもそうです。「自らの運命は自らで支配せよ。さもなければ他人に支配される」はピーター・ドラッカーの言葉です。私の経験からもギリギリの局面に出会った時、自分を守ってくれるのは、学歴でもなければ上司でもありません。自分が今日までやってきた仕事の成果や経験のみだけが自分を守ってくれるのです。今年から第8次3ヶ年計画が打ち出されましたが、社員さん自身もそれぞれ「自分未来3ヶ年計画」を立案し、会社と共に成長しましょう』

2月4日(月)。合宿が明けた翌日です。幹部・上席管理職の皆さんに第8次3ヶ年計画のスタートにあたって改めて方針の徹底をしました。
「努力して、結果出ると自信になります。努力せず、結果が出ると傲りになります。
努力せず、結果も出ないと悔いが残ります。努力して、結果が出なくとも経験が残ります」
と努力の重要性を中長期計画に挑む前に再確認しました。
同時に「努力」とは自分の基準で言わないで、必ず●●さんより努力していると、「努力度合」を自己申告ではなく、他人との比較申告で思って欲しいと付け加えました。

私は「新事業」・「新市場進出」・「新開発」等が、このOSGに出来なければ、この会社はすぐ消えるのではないかと考えています。「脱皮しない蛇は死ぬ」の例え通りです。
水宅配事業への進出や14億人の市場がある中国への進出や自販機等、その源泉は脱皮しない蛇は死ぬという自然の摂理に基づいています。
ところが人間は居心地の良い場所に居座りがちです。変化を好まないというより、変化を余計な事として余計な事はしたくと思います。昨日の続きで生きている方が楽だからです。
もし、OSGの役員が「自分達はこのままの方が楽だ」と思った瞬間からこの会社は消えます。そういう意味では常に脱皮するという事は、居心地の良さから抜け出す勇気がなければ会社を舵取る役員は、役員になってはいけないという事です。

第8次3ヶ年計画の間にOSGは45周年を迎える訳です。
はたして45年まで生き残れるのか。いつも考えています。

 

【新型コロナ反転】
2013年2月の合宿から7年が過ぎた2020年2月の合宿。
中国武漢から発生した新型コロナウィルス感染症が、この時点ではこれ程、世界を震撼させ未曽有な出来事とは思ってもいませんでした。安倍総理が5月6日までの緊急事態宣言を5月末まで延長を発表したのは5月10日から数えて1週間前の事でした。

話は2020年2月1日の合宿初日に戻します。
「創立50周年を東京オリンピック開催に合わせて大きな販売促進をやろうとしていましたが、新型コロナウィルスで手荒な歓迎を受けた。それであるならやってやろうじゃないか」(第430回追記掲載)

この「やってやろうじゃないか」について改めて全社員さんに、「貢献する」「告知する」「元気を与える」の3項目について「やってやろうじゃないか!3番勝負」を説明しました。

1番目が「貢献をする」。
前回もお話ししましたが、第1弾としてOSGのお客様に消毒除菌水を無料配布。第2弾として7都府県に除菌水1万ケース(1億5000万円相当)を無償提供しました。50周年記念式典に準備していた予算を全て取り崩し、足らない額は更に持ち出しとなりました。
無料配布をして2か月以上が過ぎましたが多くのお客様から感謝の声を頂き、50周年記念式典は中止になりましたが、素晴らしい50周年を経験しています。またこの事が新聞や全国ネットテレビの情報番組にも取り上げられました。

2番目が「告知する」。
OSGは浄水器や自販機、更にオリンピック関連施設への給水機や水宅配事業等、飲料水関連商品を取り扱っている事がイメージにあります。しかしOSGにはそれとは別に殺菌水・除菌水関連商品があります。納品先としては、大手飲料メーカーや病院・大学等の研究所への実績がありますが地味な仕事であまり表面化していませんでした。
今回の新型コロナウィルス感染症にOSGが闘う為にも「販売の前に告知をしよう」という事になりました。
従来、水関連商品を扱っている社員さんも慣れない知識で「除菌水の告知」に日々頑張ってくれています。「1人1日100件の架電」をテレワークで頑張ってくれていますが、その中から生まれる数々のエピソードの報告を聞く度に胸が熱くなる時があります。

ある社員さんが「除菌水で救える命もある」と言ってくれて、全社員が燃えました。

3番目「元気を与える」
このお話は次回に説明したと思います。

(次回に続く)

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