代表取締役 湯川 剛

製造本位であった欧愛水基は、製造から販売までを行なうという立場に変わりました。
直販体制として今後とも代理店と従来よりも更に深く付き合っていかなくてはならない重要な説明会で「尖閣諸島問題」という政治的な問題が立ちはだかる事になりました。
これまでにも靖国神社参拝や教科書問題で反日運動はありましたが、今回は「領土問題」です。「1ミリたりとも譲らない」が中国政府であり、それは中国国民の総意でもある訳です。よく「政治は政治。ビジネスはビジネス」と言いますが、今回の領土問題は、そのような言葉では片づけられない雰囲気でした。

私は彼らの質問や疑問に答える事にしました。
価格に対しては「具体的な数字を本日提示する予定はない。皆さんが忙しい経営者である事は承知している。だからこそ新生欧愛水基の方針について、本日の会議内容は事前に伝えてある」と反論しました。
続けて、愛武格闘技会社設立への参加についても説明しました。
「中国のNBA(プロバスケット)は数年前まで無名の存在だった。恐らく中国の人々もプロバスケットに対しては殆ど知らなかっただろう。ところが今や中国人なら誰もが知っているスーパースターの陽明選手。そのNBAで広告している会社を知っているか」と質問すると数社の社名が彼らから出てきました。何故知っているのかと問うと、TV放映されているからだと答えました。

「08年の北京オリンピックの閉幕後、オリンピック出場選手達の将来に対し中国国家体育局の上層部から直接依頼を受けた。現役時代にどんなに華々しくあっても、選手を引退後に活躍出来る場所がない。彼らに活躍の場を与えられないか、何とか考えて欲しいというものだった。そこで私はプロレス格闘技を提案した。それから3年が経った今年(12年)7月に上海で試合を開催。そのチケットは1日で完売した。必ず数年後には格闘技ブームが中国に起こる。そのリングマットに欧愛水基のロゴがネットを通じてPRされる日が訪れる」と持論を述べました。
そして最後に「尖閣諸島問題は私には関係のない分野だ」と明確に自分の考えを述べました。

南京代理店の周社長がこの会議の最後をまとめるように、次のように発言しました。
「湯川董事長の話はよく分かりました。本日は日中問題がある中をよく南京まで来て頂きました。お礼を言います。そこで経営者には2つの課題が常にある。一つは将来に向けての課題ともう一つは目の前にある課題。今日集まった社長は全員、アルカリイオン整水器や欧愛水基に興味があるから参加した。そして私達には目の前に3つの課題がある。一つは販売方法、次に商品のラインナップと価格、最後の一つはサービス体制がどうなっているのかだ」
そして目の前の3項目について説明を行いました。
この3項目の内容は全て日記の中に記録されていますが、ここでは割愛します。

いずれにしても直販体制がそれ程、安易なものではないという事が分かったと同時に、尖閣諸島問題がビジネスに皆無でないという事も肌で感じた1日でした。

「カントリーリスク」という言葉は中国進出前から知らされていた事ですが、よりによって新生欧愛水基の説明会に影響するとは思っていませんでした。
そんな折の事。
「情報です。あの山東省済南の劉董事長が反日体制を経営の全面に出したとの事です」
「あの劉岩が・・・」

これから新生「欧愛水基」の船出に波高しである事は間違いありません。

(次回に続く)

ご意見、ご感想は下記まで
support@osg-nandemonet.co.jp