代表取締役 湯川 剛

金鋭氏と取り組んだ珠海欧愛水基は、欧愛水基の総発売元としてかつての天然社の代理店向けに販売を行なうのですが、アンチ金鋭派らの代理店は当然の事ながら販売に協力しません。

かつて隆盛を極めた天然社の弱体後、約300社の代理店もそれぞれの道を歩む訳です。
海図なき航路に羅針盤を明確にした代理店もあれば、荒波の中に消え去った代理店もありました。
その中で以前に「2人の”岩”」(第405回)についてお話しましたが、この2社のみが中国を代表する健康産業のトップ企業に上り詰める訳です。片方が当時「山東省の若き経営者」としての劉岩董事長であり、他方が金鋭氏の実妹で金岩董事長が率いるシンセン越健集団です。別の見方をすれば、まさにアンチ金鋭派の代表格であり、後者が金鋭シンパと分かれるのです。ただ実の兄弟であってもビジネスに対しては割り切るシンセン越健集団は、簡単に珠海欧愛水基に無条件で協力する訳ではありません。

私と出会った03年当時、金鋭氏は香港上場会社天然社の董事長でした。当時、自分が育てた社員を全国300のエリアに代理店社長として送り込み、天然本社にも300人以上の社員が在籍していました。総勢2万人以上の大将であった金鋭氏も珠海欧愛水基においては、社員50人足らずの中小企業の董事長です。
組織を失ったトップを絵に描いたような状況であり、本来の金鋭氏のチカラを発揮する場所ではありませんでした。金鋭氏の地元である珠海に欧愛水基の総発売元である珠海欧愛水基を移行したが、思ったほどの成果が上がらず、必然的に珠海欧愛水基の社内にもいろいろな歪みが出てきました。

2012年8月10日。
私は金鋭氏が所有しているマンションの一室を改装した豪華な茶室に呼ばれました。そこで珠海欧愛水基の李総経理が辞任する事を告げられました。彼女は金鋭氏が天然社董事長時代のブレーンの一人として優秀な女性幹部でした。金鋭氏との人間関係も長く、信頼すべき人材でしたが実績低迷からその信頼関係にヒビが入ったのかもしれません。
新たに金鋭氏の子飼い的存在の張氏を総経理に就任させ、息子の金斐を副総経理にする新体制を告げられました。100㎡以上ある立派な茶室には高価な茶器が所狭しと並び、大きな窓からは対岸のマカオの街が一望する高級分譲マンションの一室での話でした。私は金鋭氏が入れるお茶を何度も飲みながら珠海欧愛水基の状況を黙って聞いていました。ところが次の金鋭氏の話に持っていた小さな茶碗が口に運ぶのをやめて改めて聞き直しました。
金鋭氏は「中国において薄利での商社や中間卸業は収益性が上がらない。トヨタやホンダもそうだがディーラーの方が収益がある。実妹のシンセン越健集団もディーラーであるのでメーカーにいろいろな要求をして利益を上げている。だから私も珠海欧愛水基を辞めて珠海や山中で直販体制の会社を新たに設立し欧愛水基のサポートしていく。」との事でした。
更に続けて「自分は飛行機に乗ると胸が痛くなる。よってこの広州のエリアで直販をして頑張る。明日から8月24日までに会計事務所で現在の珠海欧愛水基の財務整理をしたいと思っている」と突然の珠海欧愛水基の終焉を告げられました。
「明日から欧愛水基で直販体制を作って貰ってもいい」との内容でした。
私は通訳をしている社員さんに「この話は間違いないか」と念押しをして確認をしましたが「間違いはありません」との事でした。
青天の霹靂とはこの事か。
あれ程、山東省の劉岩と組む事を阻止して「珠海欧愛水基」を設立したにも関わらずです。

【追記】
2020年1月恒例のお年玉1000人配りも無事に終了しました。
昨年もそうですが、今年も100枚追加しました。
特に2018年秋から進出した外食分野での人との出会いが増えたので当然の現象です。
またいろいろな事情でOSGを去られた元社員さん達に「お年玉」を渡すのも私にとっては楽しみの一つです。
「会長、スケジュール的にどうしても1月中に行けないので、是非取っておいて下さい」も私にとっては年の初めの「元気確認」で心和む連絡です。

またこの1月はOSGグループの社員さん達から「誕生日メッセージ」の色紙が本社に届きます。「○○さんはこの部署で頑張ってくれているのか」とメッセージと写真を見るのが楽しみです。新入りの社員さんの写真も増えてきました。

2020年1月。決算も終えていよいよ2月1日、本日から「創立50周年記念事業年度」のイベントが1年にわたり開催されます。
今年の2020年11月11日。新高輪プリンスホテルで国内外のご招待者2000人を超える創立50周年記念式典を開催する事も決定。
大きな節目の創立50周年記念事業年度になりそうです。

さぁ!やるぞ。

(次回に続く)

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