代表取締役 湯川 剛

OSG製品「A-50」の総発売元の権利を持つ天然社は、代理店の売上低下に対して総発売元としての義務を果たしていませんでした。そこで中国OSG法人 欧愛水基は新製品「B-50」を生産し、活路を見出そうとしていました。

結論からお話します。
欧愛水基は天然社との取引を最終的に決裂しました。
その理由は売上低下や総発売元の義務を果たしていないからではありません。
天然社と天然社を支えていた代理店との関係が弱体化し、総発売元としての義務を果たせなくなった事に加え、従来の欧愛水基と天然社が製販一体化で「中国にアルカリイオン整水器を広めよう」という大義が希薄になったと感じた事の方が大きく影響しました。
OSGの本来の考え方であれば、天然社と代理店との関係がうまく行かないなら、むしろ両者間の仲介の労を取って修正したものです。しかしそれも信頼関係の中で構築するものでその信頼関係が崩れてくるような出来事が起こりました。

話は少し戻ります。
私は仕事をする上で「大義」を重要視します。「仕事の意義」や「仕事の使命」と言ってもいいかもしれません。何のためにこの仕事をしているのかという事です。仕事には収益は欠かす事が出来ません。しかし儲けるだけで取り組む仕事は、私の経験上もろいです。
「夢やビジョンのない会社は間違いなく滅び、数字ばかり追いかけている会社は必ず崩壊する」という私の考え方は、中国ビジネスにおいても同じです。
2003年秋、当時の天然社の董事長である金鋭氏の招待で上海に向かいました。
上空から上海市街地を見下ろし「アルカリイオン整水器の正しい知識を中国に広める」「ナンバーワンになる」と誓った気持ちは今も忘れていません。
成功とは困難や障害とワンセットであると、それは経営者として何度も経験しました。
たとえ「衛生部ショック」があろうとも「金鋭氏の天然社離脱」や「天然社と300の代理店との崩壊」など、想定外の出来事が次々と起ころうとも夢やビジョンは消えない気持ちでやっていました。そのパートナーとして天然社がある訳です。
その天然社本体が信頼関係を崩すような行動を取ってきたのが「A-50」から「B-50」に切り替えた要因であり、新しい道でビジョンの実現をしようと決断した訳です。

天然社との信頼関係の崩壊は、次のような問題が起こったからです。
天然社は金鋭離脱後にトップが、わずか4年で3人も変わりました。新しい董事長は弁護士資格を持っているとの触れ込みでした。実態は定かではないという噂が流れる程度の董事長の就任です。この董事長は何かにつけて圧力をかけて対応するタイプの経営者です。
新董事長は「欧愛水基が代理店と直接の取引をしている疑いがある。だから代理店は天然社と取引をしないのだ」として支払いうべき入金をいきなり止めるという愚策に出た訳です。当時、欧愛水基と直接取引したいという代理店は数多くありましたが、そんな根も葉もない噂を取り上げての理由で信頼関係を根こそぎ剥ぐような行為に出た訳です。

「もし支払いを求めるなら従来の前金制度は破棄して、契約の見直しをする」との事でした。天然社との取引は発注時に金額の50%を前払いし、残りを納品後に支払う事になっていました。この納品後の支払いを止めたのです。全盛期からみれば売上は落ちていましたが、300の代理店を運営する天然社でしたので、当時はそれなりの金額でした。
たぶんこのような状況で欧愛水基が折れてくると自称弁護士董事長は高をくくったのでしょう。この事がきっかけで欧愛水基は天然社販路の「A-50」とは別に、新製品「B-50」を生産し、別の販路を模索した訳です。

03年、天然本社と出会って6年目。苦渋の決断をしなければならない時が来ました。

(次回に続く)

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