代表取締役 湯川 剛

目標を設定する時、余りにも曖昧な内容を掲げている事という事はありませんか。
例えば、お金持ちになりたい、車が欲しい、どこか旅行に行きたい、偉くなりたい・・・など。でもこれは「目標」ではありません。どこに向かって走るのか、どれだけ走るのかを明確にしなくては、それはただ思うだけの事であり、無きに等しいのです。

「お金が欲しい」というより1000万円を貯めると言うべきだし、「車が欲しい」と言うのではなく、「セルシオが欲しい」と明確にすべきなのです。海外旅行に行きたいというのではなく、ニューヨークに行きたいとより明確にする事で具体的にイメージしやすくなるというものです。ビルを建てたいと思ったなら、その完成図を描かなくてはならない訳で、次にいつまでに実現するんだという期限を決めなくてはなりません。ただ漠然と「30代までに」では、曖昧なのです。30歳も30代、39歳も30代です。人生80年にてこの10年の開きは大きすぎます。出来る、出来ないはいいのです。日にちを決める事が重要なのです。
私の場合は、「1980年8月29日」と決め、私が建てるべきビルの完成図を掲げました。
勿論、土地がある訳もなく、描きようがなかったのですが、私の頭の中にはありました。

このように「目標設定」とは、成し得たい照準を具体的に数字で表す、もしくは写真や絵で明確化する事、そして実現出来るか出来ないかは別として、具体的な期限を決める事が大きなポイントですが、もうひとつ大事な事があります。それは、何故それを成し得たいのかという動機付けです。1000万円を貯める、セルシオが欲しい、ニューヨークに行きたいと思わせた理由や動機をきちんと説明出来るという事は、その後の行動に非常に影響を及ぼすものだと、私は思います。

その理由や動機が自分のモチベーションの強さになる事は当然の事ですが、出来れば他の人の協力が得られれば、尚いいのです。すなわち、「目標実現の協力者」が1人でも多くいれば、それだけ目標実現へ近づきます。その為には、健康的で多くの人から共鳴や共感を得るなら、素晴らしいものだと思います。例えば私の場合・・・

自社ビルを建てたい事の理由が「あのZ社を見返すのだ」と言った場合、けして健康的な理由だとは思えません。私は社員さんに、こう訴えました。「いいか、何も家賃を払わなくてもいいから、本社ビルを建てるのではない。我々と同じ雑居ビルに入って頑張っている小さな会社が沢山ある。そのような人達に10年頑張ったら、こんな小さなビルかも知れないが建てられるのだという見本を作るのだ!!」と理由付けを説明しました。

ともあれ、26歳の私のやるべき目標がこれではっきりした訳です。33歳までに自社ビルを建てなければならない使命感が沸々と漲ってきました。

(次回に続く)

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