代表取締役 湯川 剛

07年3月26日、臨時役員会で溝端新社長が承認されました。
2日後の3月28日の決算説明会の席上でアナリストの皆さんはじめ外部の方に、溝端新社長と私の会長就任を発表しました。日本経済新聞での新社長発表とは別に、この日が外部の方へのお披露目です。

私は溝端社長にOSG本体の経営全般を全権委任しました。よく言われるところの経営の3要素である「人・モノ・金」の判断を全て新社長に委ねました。私は代表取締役会長であり、CEOであるので最終的な責任は私が持ちます。まずは溝端新社長には結果を気にせず、思い切って社長業に慣れて欲しいと思い、あらゆる経営の決断を新社長に任せました。具体的に言えば、人事の異動や昇格等の人事権。更に給与査定や賞与査定等も入ります。全て新社長の権限の下で行なわれます。この権利がなければ、義務が果たせられないのです。「義務」と「権利」が一対であればこそ、組織のトップとして動ける訳です。

さて、私と溝端社長との関係は、代表取締役会長と代表取締役社長との関係になりました。
世間では息子を社長に継承させ、父親が会長に就任する事例は私の周辺にもたくさんあります。
ところが形の上では社長交代といいながら、実質的には会長が従来通り経営をしている場合が多々あります。それならば社長交代の意味がありません。「名」と「実」が別々という事です。
すなわち新しく表紙が変わっても中身が変わらないという事は、世間ではよくある話です。

それを私がやれば大変な事です。
そこで私達はそれぞれの業務を大きく2つに分担しました。いわゆるツートップ制です。
代表取締役社長はOSGの本体を担当する事になりました。「本丸」の担当です。
営業出身の溝端社長は、生産部門や管理本部に対しては未経験です。また営業出身と言っても全ての部署に精通している訳ではありません。そこで溝端社長は生産部門や管理本部、そして多岐に渡る営業部門などを広く浅くから関わり合って行く事から始めました。溝端社長は以前にもお話しましたが、数字には滅法強く私にとっては安心です。よってそれらの部署には私は一切タッチしない事にしました。極論を言えば工場やOSGの支社の近くに、たまたま私が別件で行っても立ち寄る事はしないようにしました。

次に代表取締役会長である私の担当は一言で言えば「OSGの未来事業」が担当です。
具体的に言えば、2つの事業を担当する事になりました。新事業として水宅配ビジネスと中国事業です。そうです。まさに前期に大きな悪影響を与えた水宅配ビジネスと中国事業が私の担当です。この2事業の成功こそがOSGの未来ビジネスであると位置づけました。
これで従来のOSG事業と新事業進出である水宅配ビジネスと中国事業を一手にしていた私の社長業時代から一端を溝端新社長に担って貰う事になりました。

社長が株式上場企業OSGコーポレーション及び子会社の生産会社を担当する事になりました。
会長である私は中国法人とOSGの子会社である水宅配ビジネスを担当する事になりました。
こうしてツートップ制が始まりました。


(次回に続く)

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