代表取締役 湯川 剛

06年9月2日は土曜日でした。
この日から激動の2週間が始まるなど予想もしていませんでした。
15時にOSG本社に粟山社長と営業本部長になった三浦氏が、私を訪ねてきました。
話は2日前、東京で物別れとなった「ONE WAY方式採用」についてです。私はどのような話であろうと採用しない旨を伝えました。彼らはONE WAY方式でなければ予算は達成できないとの一点張りです。これは責任逃れをする為の話かとも思いました。
粟山社長が「9月6日11時に東京で改めて石塚氏・藤本塾長と湯川会長と3人で話し合って欲しい、私は入らない。但し、前日の5日の夕刻に高輪プリンスホテルで湯川会長と2人きりで最後の話をしたい」との事で、その日は終わりました。

9月5日夕刻、高輪プリンスホテルで粟山社長と面談しましたが新しい話はありませんでした。そこで私は「ONE WAY方式は採用しないが、後学の為に4億円も出す程の特許サーバーも見たいし、そのコスモス社の社長にも会ってみたい」というと粟山社長は「いや、湯川会長がこの話に参加されるなら、コスモス社はWNにこの製品を渡す事は出来ない」と理由にもならない話をしました。代表取締役である私が参加すれば何故、この話が流れるのか、別の不信感もつのりました。

9月6日11時に藤本塾長の本社でミーティングする事になりました。
「湯川会長は先日、WNに資金がないので4億円の出資は出来ないとの事でしたが、私達はWNに増資を計画している。失礼だが現在、OSG本体の実績は下方修正等も発表し、厳しいのではないか。この増資計画をきっかけに経営全般を私共に移行して欲しい」との話でした。

彼らの話では資本金3億円を10億円の資本金にするとの事。その時の資本金比率は、OSGが80%、残り20%が粟山・石塚・藤本塾長らで占めていました。すなわち7億円の増資をしOSGが出資に応じなければ24%の比率になる訳です。是非とも我々に経営を移行し、OSGはWNの出資者として参画して欲しいとの主旨を話していました。
私が「何故、4億円も出してONE WAYの権利を取得するのか」に対しての回答はなく、ただ「粟山社長はONE WAY方式を採用した方が売上は向上する」だけの一点でした。
そこで私は前日、粟山社長に言ったように「石塚さんはそのコスモス社の社長と面談したのなら私も是非とも会いたいものだ」と伝えたところ、石塚氏は粟山社長同様に「湯川会長が出てくればこの話は流れる」との事で、理由を尋ねると「相手の意向です」と意味不明な回答をしていました。いずれにしろ、突然降って湧いたONE WAY方式と4億円。その4億円を捻出する為の増資計画。増資と同時にOSGは24%のイチ出資者として参画するようにと。
今日、回答を貰おうと思いませんが期限は2日間で、9月8日朝7時までに回答して欲しいとの事でした。帰る間際に本業を立て直す事に力を入れられた方がいいのではないかと私の背中に厳しい声がかけられました。

わずか2ヶ月も経たない7月20日の居酒屋ミーティングでの粟山社長の発言を思い出しました。
「石塚・藤本らのようにお金で会社を買ったり、売上を買ったりしているような人間には我々の苦労は分からない。我々は1つの注文にも現場に出かけ、這いずり回って取ってくる。こんな苦労は石塚や加治山には分からない。OSGさんはWN立上げにどれだけ苦労されたのか、彼らにはわかっていない」と話した粟山社長が今回の筋書きなのか、それとも石塚氏や藤本塾長らの計画なのか。

彼らの言う通り、本業を立て直す事が最大の優先課題ではないか。株主様や機関投資家に対しての期待にまずは応えなければならないのではないか。中国事業にも大きな課題がある。新事業進出の水宅配事業を乗り切る余裕はあるのか。水宅配事業は出資者として携わるべきか。
しかし、短い期間だが水宅配事業立上げの思いもある。

さぁ、トップとしてどうするのか。

(次回に続く)

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