代表取締役 湯川 剛

06年6月22日、ウォーターネット(略、WN)の6月度役員会議が開催されました。
会長職に私が、社長職には粟山氏が就任した事が改めて役員会議の中で発表されました。
7月12日には粟山社長・石塚氏・藤本塾長ら出席の下でプレス発表する事も決定され、同時にWNの代理店募集のセミナー等についても協議されました。また粟山社長から「岩村産業時代からずっと私についてきてくれた三浦氏をWNに入れてもらえないか」との話しが出て了承され、石塚氏からも自身が所属している会社から加治山氏も入社する事になりました。ただ彼らの給与額は我々の基準と比較してはるかに高待遇で、大企業で勤務経験のある彼らは会社を食い物にしているようなイメージが正直、私の心の中で芽生え、違和感を感じました。

その役員会議から1ヵ月後の7月20日の夕刻。
粟山社長お気に入りの品川駅前の居酒屋で、三浦氏も加わって3人で彼らが作成した4カ年計画の予算書についての話題になり、居酒屋ミーティングは途中から話は良からぬ方向に話が動きました。
それはさかのぼる事、7月8日のOSG・WN合同会議での出来事です。
席上、粟山社長がOSG幹部に向けて「WN立ち上げにOSGには大変苦労をかけました。よってWNはOSGからは永遠にプラントとサーバーを購入します」と発言しました。
この発言が7月20日の午前中に行なったWN役員会で大きな問題になりました。石塚氏が珍しく声を荒げ粟山氏に「何であんな事をOSGに言ったのか」と噛み付きました。その流れから石塚氏が連れてきた加治山氏と三浦氏が口論になりました。
ついには三浦氏が「粟山社長が決めた内容にいちいちクレームをつけるなら辞める」との発言も飛び出し、何とかこのいざこざは収まったのですが、その時の事がこの居酒屋での話題となりました。

2人は「石塚らのような人間は、お金で会社を売ったり買ったりしているような人間だ。我々の苦労は分からない。我々は1つの注文にも現場に出かけ、這いずり回って取ってくる。こんな苦労は石塚や加治山には分からない。OSGさんはWN立上げにどれだけ苦労されたのか、彼らにはわかっていない」と私にリップサービスしながら石塚批判をしていました。私はOSGの事を思って言ってくれるのはありがたいのですが、それよりも職場仲間がいがみ合っている事に懸念しました。お互いそれぞれ違った企業文化で育ってきた訳で、しかも各自個性の強い人達の集まりがWNの役員構成。お互いそれを理解しなければいけないと、粟山社長や三浦氏に注意等しながら杯を重ねていました。

私の経験では、会社の経営とは採算学と人の気持ちを把握する心理学をしっかりしていれば、経営は出来ます。逆に言えば採算学と心理学を無視した会社は崩壊を招きます。またトップとナンバーツーがいがみ合っていると会社は崩壊します。
設立されたばかりのWNで早くも経営幹部が二分化している事に危惧を感じました。私の仕事は、この二分化された組織を一本化する事が仕事の一つだと認識しました。
ある程度の時間をかけながら、異なった企業文化で育った人達を相互理解させる為にも、加盟店募集という本来のエネルギーに力を注ぎ、目標の一致をさせようと思っていました。

OSGが水宅配事業に参入する時「新しい事業に参入し発展させる為には、今までにない新しい人材とネットワークの活用」と決めていましたが、同時に「新しい事業に参入し発展させる為には、多くの障害を乗り越えなければならない。その為には今まで共に闘って来た仲間と、新しい分野を切り拓かなければならない」との考えが私の頭の中にあり、迷いはしましたが、結果的に前者を採用しました。

ところが私のこの判断が間違っていたのか、後日、全くの想定外の形で現れて来る事など、この居酒屋ミーティングの席上では思ってもいませんでした。

(次回に続く)

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