代表取締役 湯川 剛

新しく就任した林菫事長から我々に株式の買取りを打診してきました。OSGと天然社との合資会社「天然三愛」の1/3の株式 を保有していました。
私は常々、OSG独資でこの広大な中国市場で活躍したいと思っていましたので「天然三愛」の合資会社解消の話には喜んで快諾しました。彼らとの合資期間28ヶ月でした。
この決定から天然社が中国総代理店とし、OSG中国が生産会社として一人歩きする訳です。

私達は早速、合資会社「天然三愛」の社名を変更し、独自の社名を考えなければなりません。
天然本社は社名を変更せず、このまま「天然三愛」を使って欲しいとの要望がありました。
世間的にも合資会社解消はイメージとしてよくないのでと面子を重んじる国として分からない事もありませんでしたが、我々は名 実共に「独資企業」としてやりたいと押し切りました。
実はこの合資会社解消は後々、天然本社に悪い影響を与える訳です。

さて独資としての社名を考えなければなりません。中国において社名は全て漢字表記です。
海外企業において中国現地法人を設立する場合も、その社名は全て漢字表記となります。
日本の「トヨタ自動車」のように漢字を「豊田自動車」とそのもので表現する場合は楽です。「三洋電機」も「三洋電機」と日本 の企業名をそのまま使用すればいいのです。ではカタカナ表記される「ソニー」「シャープ」「パナソニック」はどのような中国社名で表記されているでしょうか。この場合、大きく2つに分かれます。1つは漢字での発音を社名に使います。
もう1つはその会社が何をしているかを知らせる事での社名を用います。
前者では例えば「ソニー」は発音で「索尼」と書きます。「シャープ」は「夏普」です。世界的に有名な会社名なので、呼び名を漢字で当てているだけです。その漢字から来る意味はありません。「パナソニック」の場合は呼び名ではなく「松下」とそのままです。
発音と漢字の意味がその企業にフィットすれば一番いい訳です。その代表的な社名が「コカ・コーラ」の「可口可楽」です。この「可口可楽」の社名は凄いです。漢字からもその意味が何となく伝わってきます。そして発音も「コカ・コーラ」に近いです。

さて、弊社の場合は「OSGコーポレーション」を発音的にも、そして漢字の意味からも分かり易い社名を考えなくてはなりません。「コーポレーション」という言葉は不要として、「OSG」を中心に考えました。仕事終えた後、幹部達は連日、社名を考えました。発音から来るのであれば「欧(オー)艾斯(エス)奇(ジー)」となるわけです。しかしこれでは漢字から来るイメージも何となくバラバラな感じです。漢字から来る企業の内容は伝わらない訳です。
「ソニー」の「索尼」とか「シャープ」の「夏普」と同じです。ソニーやシャープは世界的に有名な会社なので発音だけでも構いませんが、私達の場合にはそういう訳にはいきません。
「欧艾斯奇」は発音的には「オーエスジー」に近くなりますが、漢字から来るイメージはありません。
「王水機」これなら「水機の王様」として水関連事業のイメージはあります。しかし日本的には「王」は(オー)と発音しますが、中国では「王」は(ワン)となり発音的には程遠いです。

仕事を終えた後、社員さん達は侃々諤々喧々囂々と「独資による社名変更」に対し、議論する事を楽しんでいました。

そこで私は彼らに提案しました。

(次回に続く)

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