代表取締役 湯川 剛

済南は山東省の省都で、その古い街並みは中国の「国家歴史文化名城」に指定され、中国古代文明の発祥の地の1つと称されているところです。

「豊かな自然環境に恵まれた済南の街は風光明媚に溢れ、街には湧き水も多く『天下第一泉』と言われる趵突泉の他に、黒虎泉、五龍譚、珍珠泉という4大名泉をはじめ『七十二名泉』と呼ばれる水量の多い泉水を有する為、済南は「泉城」という別名もあり、『玉泉 万家を潤す』と称されます。この他、千仏山、五峰山、霊岩寺等の名山の雄姿によって、『一城山色半城湖』という独特の風景が観光客の心を魅了します」
これは、済南で宿泊したホテルのパンフレットに中国語と日本語で書かれていた文章です。

さて、済南代理店の劉 岩菫事長は、1973年3月21日、山東省生まれ。私とは26歳差なので、親子のような年齢差です。とにかく仕事熱心な男で、私の話は殆ど聞き入れてくれます。
聞けば、幼い頃の経済状況が豊かではなかった為に十分な教育を受けていないとの事ですが、その分、非常に勉強熱心です。僅か1年前は社員数100名足らずであった済南代理店を、450名に成長させている事実は、何より彼の人柄と手腕を物語っていると思います。中国でも多くの経営者と出会いましたが、会社が少し大きくなると高級車を乗り回し、マンションを何室も所有したり服装が派手になる一方、職場環境は旧態依然のまま放置といった経営者がいる中、彼はそのような事はありません。
「もし君に余裕のあるお金が出来たとしても、決して自宅に投資をするな。自宅とは銀行でお金を借りる時の担保としての価値だけで十分。悠々自適な場所にするには年を経てからでいい。むしろそれならば仕事上でも社会的にも、そして社員さんの為にも職場に投資すべきだ」とアドバイスした教えをそのまま実行出来る男です。まさに中国の勢いを感じさせる代表的な代理店ですが、衛生部ショックで意気消沈していた全国の代理店の中で私の提案に率先して手を挙げてくれたのも、この済南代理店でした。

2005年9月5日(月)9時よりOSG社員教育を受ける為、450名全社員が集まりました。
私が中国に来て温めていた社員教育でした。まさかこんな状況下で行なう事になるとは思ってもみませんでした。日本人と中国人の文化の違いや考え方の違いに、はたして私のやろうとする社員教育が通じるのだろうか。ましてや、彼らに届く言葉は、通訳を介してのもの。直接、私自身が投げかける言葉ではないのです。しかも450名を一堂にして行なうのです。
天然本社(珠海)では当時、3大代理店(北京・シンセン・済南)があると言われていましたが、済南代理店はこの1年でその地位を確保したという事です。
この済南社員教育は、北京代理店とシンセン代理店の両菫事長も視察に来ていました。

結果的には2日間の社員教育は大成功でした。社員教育の内容はここでは説明できませんが450名の社員さん達が泣いた。若きリーダー劉菫事長も泣いた。そして私も泣きました。

この2日間の教育で一言たりとも「アルカリイオン整水器を売りましょう」という言葉はありません。2日目の夜、日本式OSG流の決起大会が開催されました。何とそこで済南代理店は、過去最高の販売台数を目標にしました。衛生部ショックの最中において、返品がわずか2台であった事も彼らを勇気付けたのでしょう。そして何よりも32歳の若きリーダー率いる平均年齢25歳の若い集団450名の燃える情熱が、苦難の中でも「自分達が全国に先駆けてやるのだ」という強い思いとなって、勉強会を導いてくれたのだと思います。

1ヵ月後、若き集団済南代理店は掲げた目標を大きく突破した事は言うまでもありません。
そして10月17日、北京代理店がOSG社員教育を受講しました。
その噂が全国に広がり、衛生部ショックで中国アルカリイオン整水器メーカーが消えたように販売活動をしない中、天然だけが唯一、明るい出来事と捉え少しずつですが歩き始めました。

(次回に続く)

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