代表取締役 湯川 剛

慌しくとんぼ返りではありましたが天然代理店泰山研修に参加しました。前日の26日遅くに到着し、金菫事長らと協議をしましたが、これといった具体的な解決策は出てきませんでした。

翌27日の朝、全国代理店約300社のオーナー達に向けて話をする時間を貰いました。
「日本においてアルカリイオン整水器は、医療機器として認証を受けた製品です。中国政府が何をもって業界指導に入り、何を理由に製造・販売を中止したのか、現段階では分かりません。よってまず私は中国政府当局に面談を要求したいと思います。皆さんも正しい情報を得るまでは必要以上の不安は持たないで下さい。今、私が皆さんの前ではっきり言える事は、決して私はこの問題から逃げないという事です。問題があれば解決します。誤解があれば解きます。私は逃げない!」
そう伝えて、すぐに泰山から済南・上海を経て呉江へと引き返しました。呉江のホテルに着いた時には既に夜中の零時を過ぎていました。

28日午前中に天然三愛の幹部を含め、全社員を集めました。そして彼らに24時間前の泰山、天然代理店オーナー会研修で話した通りの事を伝えました。
「工場は閉鎖するのか」という質問がありました。彼らの一番の心配事でしょう。
「皆さん。この新工場が出来るまで、私達はFCP社の場所を間借りして1年間製品を作ってきました。そしてやっと待望の工場が出来たのです。やっとですよ。必ず、私は解決します。中国政府と掛け合います」
「この待ちに待った私達の新工場を閉鎖する事はありません」

一人一人の顔を見て話しました。通訳を通じてではありましたが言葉が通じない分、私は目に見えない気迫のようなもので伝えようとしました。スタッフは勿論、ワーカーの人達も大きく頷きながら聞いてくれていました。もしかしたら日本語が分かっているのではないかと思う位に反応が早く、そして暖かな目で私の話を聞いてくれていました。改めて信頼して貰っている気持ちになり、目頭が熱くなりました。

「時間的に少し早いですが、昼食を食べに行きましょう。まずは腹ごしらえです」
そう言うと私は会議室を早々と出て、目頭に少したまった涙を拭きました。

内心では、今回の事態がOSGにどのように影響を与えるのか、正直分かりませんでした。
人間は皆、未体験な事に不安を感じます。誰も寸分先でさえ、未来の事は分からないものです。
まして、ここは中国共産党一党の支配の下で統制されている国です。日本であれば、事前に警告や指導があり、それでも従わなければ製造中止というような展開はあります。しかしそれはその企業のコンプライアンス違反であったりするもので、当然の事です。
しかし今回はイレギュラートーク等で販売している企業が罰せられるのではなく、真面目に経営をしている企業も含めて業界全体が一律に製造中止という日本では考えられない事態になろうとしている訳です。
心なしか、私の顔が一瞬不安そうな雰囲気を与えていたのか、いつもの賑やかな食事風景ではありませんでした。これはいけないと思い、私は思いっきり大きな声で言いました。
「みなさん!ここを工場閉鎖する時は、手狭になり更に大きな工場に移転する時だけです」
みんなの顔がパッと明るくなりました。

(次回に続く)

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