代表取締役 湯川 剛

私は翌日の9月22日にT社本社を訪ねる事になりました。
珠海は広東省にある温暖な地域で、9月下旬といえ真夏のようです。マカオから徒歩で出入国可能で、香港からも高速艇で約1時間で行けるエリアで、日本企業も多く進出しています。

T社の本社は珠海の中心街にあり、一際目立つ貿易センタービルの1階にT社の製品の展示場がありました。本社業務は最上階を含め、2フロアありました。

菫事長室だけでなく、各菫事の部屋も大きなスペースを取り、中国らしく全てがビッグサイズです。全国の代理店からお客様を招待しているようで、お客様に会社を見学させていました。長い廊下にはT社の歴史が写真で掲示され、時の主席も若い時の金菫事長と写っていました。中国はこういう写真には権威と信頼を得るのでしょう。

早速、金菫事長をはじめとする幹部との会議がありました。
日本製品を輸入する場合、価格が非常に高くなる。中国で生産する計画はあるか。
上海や昨日の会場での風景を見て、我々は販売する力がある事を感じて貰ったか。13億人の中国市場は魅力的だ。など、次々と質問や中国の良さをアピールし、結論的には「一緒に日本製のアルカリイオン製水器の生産工場を設立してOSGの力を是非借りたい」との事です。

翌日、珠海から香港にいき、香港本社を訪問しました。香港本社では香港市場に上場している関係上、投資家対策等が主な業務との事で、現地董事も含め15名程の人員でした。

9月20日・21日で上海会場・珠海会場でお客様と会い、22日にT社本社での幹部会議。23日に香港本社での幹部会議と目まぐるしい4日間でした。同時に新しい道を開拓するような4日間でもありました。いずれにしろ、中国に来る前とは予想外の出来事でした。

ただ言葉が通じないので、4日間でT社全体を知り得たのかどうかは分かりませんでした。
疑ってはいないが本当に上海で50台、珠海で100台が売れたのか。全ては通訳を通じての話しであり、実際のところが分かっていません。金菫事長とは初対面の時にふと「兄弟」と言わせるような最初から気が合う波長はありました。しかしそれとこれとは別です。
本当にこんな販売力が全国に約300社あるのか。それが現実なら凄いネットワークです。
それを見極めない限り、中国に本格的に進出する決断をする訳にいかない気持ちが心のどこかにありました。相手が上場企業であるという安心感はありましたが、更に実態を見たい。

そこで私は帰る香港空港で「もう数ヶ所、代理店を見たい。上海や珠海のような整水器のお客様を集めるような代理店はありますか。しかも近々です。」と質問しました。数ヶ月も先であれば、その間に準備をするだろうと思い、出来れば1週間以内でありますかと尋ねました。
するとスケジュール表などを見て、金菫事長は「5日後の28日には北京代理店がありますよ」との事です。当然、私にもスケジュールがありましたが、幸い28日が日曜日。土日を利用しての2泊3日の予定で、北京の集会に参加する事をその場で決めました。

金菫事長は「それは素晴らしい。それならば私も参加しましょう」と即答。

この北京代理店でのお客様集会で、私は更に度肝を抜かれました。

(次回に続く)

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