代表取締役 湯川 剛

2002年も終わろうとしています。株式公開をして1年目の事業年度があっという間に過ぎ、2年目の02年の事業年度も慌しい日々を過ごしていました。

9月に入り、19年ぶりに日経平均が9217円に下落。10月初めにはバブル後、最安値で日経平均9000円割れと大きく報道されていました。
日経平均下落にあわせる様に、OSGの株価も9月20日から10日連続株価が下落。10月半ばから株価は持ち直したように上昇するが、11月から12月にかけて株価は更に下落傾向になりました。証券会社の幹部が「何もOSG株だけが下落しているのではない。株式市場が全般的に悪い。」と言われましたが、OSGの株価の下落傾向は、やはり気になります。

ここに12/13の日記があります。たぶん午前4時に記載しているので、気持ちを落ち着かせる為に書いたのでしょう。

『12/13 午前4時、目が覚める。午前1時に寝たような気がする。3時間前に赤ワインを1本飲み干して寝た筈だか眠っていない感じだ。
「売上が前年比大割れ」そんな夢で目が覚めた。ここ連日のように株価が下落。毎日安値更新が続いている。昨日、ラジオ日本の番組に出演したが、出演を断ればよかった。
明日は個人投資家説明会だが、正直つらい状況だ。
株価が示すように、今期に入り実績が予算通りに進んでいない。
よく自分が口癖のように言う「負けに不思議の負けなし」そのものだ。
幹部の●●部長や●●・●●が悪いのではない。結局、社長の私が悪いのだ。ただ、株式公開2年目にして、こんな状況にして多くの株主さんや投資家の皆さんに迷惑をかけている事は申し訳ないと思う。』・・・など、4ページにわたってこの日の日記は書かれています。

私は過去において、今よりももっとつらい事や苦しい事を経験してきましたが、ガバッと夜中に起き、寝汗でびっしょりになるような状況になったのは初めての事です。
それはたぶん株主さんや投資家の方々の存在があるからだろうと思います。過去のつらい事の殆どは、自分自身が受け止めれば済む事でした。しかし実績の低下に伴う株価の下落は、多くの人を巻き込む事態になり初めての経験です。
夜中に目が覚め、1人でいる事が急に恐ろしく感じた経験は後にも先にもこの日が初めてです。

眠れない夜があるのは、経営者であり続ける為の宿命のようなものです。
「私は悩んだ」「私は考えた」という人の中に、数時間、いや数10分程度、頭にかすめた程度で言う人がいます。だから真に悩んだ人や考え尽くした人の事は分かっていないのです。
考え尽くす。徹底的に悩んで悩み尽くす。そこから真の何かが見えてくるのです。

成績が良かった時、株価がそれなりに反映します。だからと言って最高値がついた日の夜に、ぐっすり眠れた記憶は私にはありません。企業の成績はいわゆるステークホルダーとして、社員さんやお客様、そして株主様や仕入協力関係の方々。金融機関や顧問先の先生方など、OSGには多くの利害関係者が私達の実績に対し、大小の影響を受けている訳です。
それだけに責任が重たいのは当然の事です。

眠れぬ夜があったとしても、二度と来ないこの地球上で、全力投球すれば自分に悔いはなしと自分に言い聞かせました。

「人生はプラス思考で歩きましょう!」的に考えるなら、この時の苦悩は自分に何を教えているのか。何を学ばせようとしているのかと考えた時、多くの人の見えないご支援で会社は成り立っているだと改めて思い知らされた訳です。

(次回に続く)

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