代表取締役 湯川 剛

1月15日早朝。私は奈良・信貴山 千手院の本堂の読経の中で54歳の誕生日を迎えました。今月も残すところ、あと15日。

昨年の2月1日より、社員の皆さんが一丸となって積み上げてきた実績や社内体制に対する評価が下される時が近づいてきました。つまりこの1年間の闘いぶりに対する評価が、株式上場の可否という形で明らかになるのです。その熱い1年が、残り15日。
「社史に残る闘いをしよう」
私は帰社後、全社員さんに向けて改めて呼びかけました。

「会社に対する信用や信頼は、あくまでも世間様が感じるものです。株式公開に関しても同様で、あんなに頑張ってるんだから、少し助けてやろうかと思って頂けるかどうかが大きな鍵です。営業部の人達は日々の営業活動を通じて信用や信頼を築きます。その為には、正直さや誠実さを感じて頂けるよう努力し、またそのようにお客様から評価して頂きましょう。
内勤の人も然りです。営業部の仲間が懸命に築いてきた信用や信頼を、電話応対等のミスで失墜させるような事があってはなりません。単に売上や実績を積み上げるだけでなく、そのような目的(株式公開)を踏まえて行動しましょう。そういう意味での社史に残る闘いをしようではありませんか。」
当時の原稿には、そう書いてありました。

1月中旬から下旬にかけて、第三者割当等の説明会や証券会社による事前審査質問等に時間を取られ、私自身現場に出て売上貢献などする時間が全くなくなりました。
しかし監査法人の先生のセミナーで
「トップが現場に出てトップセールスすれば、結果的には効率が悪化する。」
「社長はオールマインドであっても、結局は1人の力でしかない。」
「組織力で取り組む、その仕組みが必要だ。」と指摘され、特に「トップセールス」の箇所では多少の抵抗はありましたが「組織力で取り組む」という点には大いに納得しました。

OSGの強みは「トップと現場が近い事」です。トップは常に市場の動きを感じ取っておかなければならず、そのような意味では「トップセールス」は重要だと思っています。

そうする内に決算月の1月が終わりました。OSGでは毎年1月31日には年度終わりとしてけじめの終礼があります。特にこの年の終礼には大きな意味を全員が感じていました。

2001年1月31日21時。
本社では全社員が会議室に集まりました。
全国の営業拠点では電話会議にての参加となりました。
現在ではテレビ会議ですが、当時はそのようなシステムはなく電話会議での参加でした。

「皆さん、本当にご苦労様でした。365日の闘いは今日、終わります。株式公開実現が出来るかどうか。まずは第1回目の対象年度が本日終わった訳です。勿論、明日からも引き続き、私達の仕事は変わる事無く、経営理念に基づいて進められます。まずは今期ご苦労様でした。
どのような結果になったとしても、この1年間、間違いなく会社も私達も少しは成長したと思います。」

株式公開の第1審査年度の第31期が終了しました。

(次回に続く)

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