代表取締役 湯川 剛

2000年2月1日、年度初めの席上で私は、以下の事を発表しました。
タイトルは「2000年、2大イベント社内活性化戦略」として
「株式公開が実現した際は全社員でビールかけをやろう」
「株式公開実現に向けて、ホノルルで全社員決起大会を行なう」という内容です。

この2大イベントは、片方だけを実行して片方はやらないという主旨のイベントではない事を全社員さんに説明しました。つまり「ホノルルで全社員決起大会は行なうけれど、株式公開実現は未達成」という事も、またその逆もないのだと。すなわち「ゼロか、実現か」のいずれかしかないのだと、全社員さんに訴えました。
そして、この時に生まれた新格言が「二兎を追うのがOSG」な訳です。
(第188回 2012年11月15日掲載)


正直、同時に二兎を得る事はできません。ホノルルで決起大会をしたからといって、株式公開実現が約束されるものではないのです。
それでも「やっちゃえ!全社員決起大会inハワイ」と、ホノルルに向けて11月9日に第1団が出発。弊社の記念行事で創立日(8月29日)に次いで重要な「決起の日(11月11日)」に合わせて現地時間11月11日に、全社員がホノルルに集結。決起大会を開催しました。
前回(25周年)同様、午前中に社員スポーツ大会&BBQパーティーを行なった後、夜に創立30周年パーティーを兼ねた株式公開に向けての決起大会を開催しました。
「60歳で社長を引退する」と前回(25周年)、周囲を驚かす発言をしましたが、今回はただただ「株式公開実現」の決起大会として開催された全社員集会でした。

振り返ってみれば、この「株式公開実現」は1991年1月14日の創立20周年の式典からスタートしている訳です。思えば、第3次5ヵ年計画に掲げた目標が実現できずに、私が全社員さんの前で謝罪したところから始まりました。

「2001年、創立30周年には必ず株式公開する」
第4次10ヵ年計画が打ち出されました。10年もの年月を費やさなければ到底、実現できるとは思えない、当時はそんな状況だったのです。
「今、出来ないからといって、10年先も出来ないなどと、誰も言えないのだ」
強く印象に残っている言葉です。そして「株式公開実現」に向けてもう1つ、大事な事がありました。それは「10年」という長い歳月の間、「掲げた目標を諦めない」「絵に描いた餅にしてはならない」という「信念」を如何に保持し続けるかという事でした。

こうして10年近くが経とうとする中、ホノルルの陽気を浴びながら、「何としてもやり遂げなくてはならない」と重く圧し掛かるプレッシャーが、私の心の中を渦巻いていました。

敢えて決起の日である11月11日を選んでハワイ大会を開催した事は、自らを自縄自縛に追い詰めていくやり方であると分かっていながらも、そうしなければ心身ともにもたないと感じる状況でした。相も変わらず休日返上で仕事漬けの日々を過ごし「この犠牲があればこそ、心願成就もできる」と、妙なモチベーションを持ってやっていました。
如何にもアナログ的です。スマートではありません。
「自己犠牲こそが、男の美学」と大きな勘違いをしながらも、自分を追い込んでいました。
ただこのアナログ的思考こそが、「自分達は必ず株式公開できる」という裏づけにならない裏づけとして心身を支えてくれていたのだと思います。

その後、12月にかけて第三者割当に対する協議を、証券会社と行なう日々が続きました。
少しずつ少しずつ、株式公開に向けて動いている実感を味わいながらも、それとて決して「株式公開実現」に対する絶対的保証ではない訳です。

営業実績・生産体制・組織の改革・資金繰り・社員の育成・新製品開発・旧オムコ問題と、乗り越えなければならない大きな課題が、2000年の除夜の鐘を聞くまで私の頭の中で交差していました。


【追記】
2月24日(日) 『第7回東京国際マラソン2013』に参加しました。
東京国際マラソンは、この2013年大会から「ワールドマラソンメジャーズ」に加入。
名実共に世界最高峰のマラソン大会のひとつと数えられるようになった記念のレースを走れた事は誠にラッキー!!
ニュースによれば、東京マラソン出走の市民ランナーは3万6千人を超え、また沿道の観客も173万5千人だったとか。
私にとってこの「東京マラソン」は、最後のフルマラソン挑戦。

いつもタイムは内緒!と言っていたけれど、恥ずかしながらラストランだから公表すると
6時間42分39秒。

40歳で初参加した時のタイムが、5時間55分12秒。
26年間で47分もタイムが長くなったのは、体力が落ちた証拠。

これからは『42.195キロ完走』にこだわらず、「無理せず、楽しく」をモットーに市民ランナーを楽しみたいと思います。

(次回に続く)

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