代表取締役 湯川 剛

年度初めにMAX2万件を、もし全品無償交換したならば、その年度は間違いなく数億円の赤字になるところでしたが、そんな杞憂も結果的には約2千数百件だけの交換で済みました。

大きな損失も出さず、むしろこの事をきっかけに東京ガス様という新たに大きな市場へと進出。正直、胸を撫で下ろし大阪ガスC&Cキャンペーンも復旧・復興と同時に再稼動しました。

更に工場や屋外作業現場向け工具・機器類の大手商社であるT社(東証一部)や家電商社のD社(大証二部)も弊社製品を取り扱って頂き、大いに協力して頂きました。両社はOSG同様に本社が地元大阪にあり、また上場を実現させた企業として、私自身にとっては憧れの会社でした。D社の創業者は上場後、会長職として経営の第一線からは引かれていましたが、何よりご自身が高齢な時に上場を実現された事に対して、私は大変な刺激を受けました。

またT社の創業者も会長になられ、経営はご子息に完全譲渡されていました。このご子息はいわゆる二代目でありましたが、世間では1.5代目だと言われる程、創業者並みの努力をされ方です。この若き経営者を中心とした幹部の方々が東証一部へと昇華されたのです。そしてこの若き経営者こそ、私の上場へのモチベーションを更に上げて下さった人物でもあります。

阪神大震災の被害は当然の如くありましたが、しかし初夏辺りから25周年におけるイベントは予定通り軌道修正しながら動き出しました。同時にもしかすれば目標設定を延ばさなければならないと思った株式上場も30周年を目処に動き出しました。

大学生活は2回目の夏休みを迎え、昼夜関係なく仕事にフル回転しました。
ちなみに大学の授業で総合商社について学んだ際、BOTという言葉を知りました。
「build」「 Operation」「transfer」の頭文字でBOT。「建設して、運営して、引き渡す」という意味の言葉だと知った私は、その授業中「BOSS」とノートにメモを取りました。

「build」「 Operation」「support 」「service」
つまり、「立ち上げて、運営してサービスをサポートする」という意味です。

我が社のBOSS(ボス)事業部の誕生です。
弊社では、買って頂いたお客様のメンテナンスには二通りの仕組みがあります。
1つは弊社が直接行なう場合です。弊社の独自のメンテナンスノウハウに沿って自社の手で行なう訳です。自社社員が行なう為、お客様の声が直接聞けて、弊社にとって非常に大きなメリットがある部署です。弊社製品をご購入頂いたお客様を全てコンピュータにて管理し、カートリッチなどの交換も定期的に訪問する仕組みです。このようなビジネスモデルを何十年も続けている企業は、日本中で弊社しかありません。正にオンリーワンです。

但し、この仕組みにはメンテナンスメンバーを多数必要とします。そこでもう1つの仕組みが浄水器を販売して頂いた販売店様にメンテナンスをお願いする仕組みです。
しかしここにも問題があります。それは、定期的な訪問にお客様が慣れておられない事でした。そこで、数年間は私共がメンテナンスを行い、その後、販売店様に移行する。
立ち上げて(弊社が行なう)・運営をし(数年間続ける)・サービスをサポートする。

まさに「ボスにお任せ」。よし、コレで行こう!!当然、「仕事に取り入れられるものは全て活用しよう」そんな気持ちで授業を受けていました。

1995年も私にとって刺激的な年であり、色々な事を学んだ1年間でした。そんな1995年も終わりを告げ、25周年のイベントや株式上場への行動へと駆り立ててくれました。

(次回に続く)

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