代表取締役 湯川 剛

1994年の年は、「夜間、大学へ通う」という今までの生活行動が一変しましたが、それ以外は相変わらず年中無休の体制で動いていました。何せ課題が多すぎる位ありました。

勿論、それは他人から与えられたものではなく、自分で立てている計画ですから文句は言えません。とにかく時間との闘い以外はありませんでした。他人が1ヶ月かけてやり遂げる事を、10日で成し遂げなければ実現不可能な状態です。「二兎を追うもの一兎をも得ず」という次元を超えて、まるで「十兎を追う」そのような状況でした。

さて私の書棚には松下電器創業者の松下幸之助さん(大阪人はそういいます)に関する本が、100冊近くあります。本から多くの事を学び、多くの刺激や影響を受けています。

特に印象に残るものの一つに、幸之助さんがインタビューを受けられた際の話があります。

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌など、生涯で数多くインタビュ−を受けられた幸之助さんですが、中でも一番多かった質問は「成功の秘訣は何ですか」というものだったらしいです。分かる気がします。その秘訣は誰もが知りたいところです。

「成功の秘訣はなんですか」「うん・・秘訣なぁ〜」と言った後に「成功の秘訣は成功するまでやる事でんなぁ〜」私の好きな幸之助さん語録です。

1994年当時の私の手帳に挟んである言葉

失敗を信じる者は何も出来はしない。
平凡な生き方、無難な生き方、消極的な生き方を好む人達である。
偉業を成し遂げる人間は失敗を決して認めない。

ここにある人の経歴をご覧に入れよう。

この人物は、

22歳で事業に失敗する。
23歳で州議会議員選挙に落選する。
25歳で再度事業に失敗。
26歳で恋人の死に直面する。
27歳で神経の病をわずらう。
34歳から5年に3度、下院議員選挙に落選する。
46歳で上院議員に落選。
47歳で副大統領になろうとするが失敗する。
49歳で上院議員選挙に落選。
51歳でアメリカ合衆国大統領となる。

この人物の名はアブラハム・リンカーンである。

成功の秘訣は、成功するまでやる。失敗を恐れない。これに類する言葉はとても書き切れない程、あります。私を取り巻く環境下、「十兎を追う」生き方を選択する事は、当然の事ながら当の本人としては何の不思議もありません。第3次5ヵ年計画が未達成に終ったという事実に屈せず、第4次10ヵ年計画(1991〜2001):株式公開をすると宣言。大学は卒業する。掲げた浄水器販売の目標を達成する。フルマラソンは完走する。セミナー・訓練は時間が許す限り、引き受ける。学生向け企業セミナーは自らやる。数ヶ月先・数年先の企画も移動中に具体案として考える。

そんな時間の合間に例の虎のオブジェを寄付した信貴山の管長の出版を手掛けたり、長年の構想にある世界中の水ビジネス会社を一堂に集めて「ウォーターサミット」を行なう為に、関空オープンの日(9月4日)に1人ラスベガスに飛んだりと、それまで以上に忙しく動き廻りました。

大阪ガス様に企画却下されたあの「ダイナマイト作戦」の名誉挽回にと、11月には「クリーン&クリーン(C&C)キャンペーン企画」(1月〜3月:3万台)が決定。そしてミラクル計画1年目の第1弾が、ほぼ成功したかのように見えた同じ頃、あのリズムタッチを製造して頂いた日本理工の阿比留社長が逝去されました。「人生は1回」と改めて認識し、「頑張ります!」と11月9日の社葬で遺影に向かって誓いました。

(次回に続く)

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