代表取締役 湯川 剛

15日は私の誕生日と同時に成人式の祝日で、16日は日曜日でした。17日の月曜日から私は3日間で大阪ガスショップを13店舗訪問する事になっていました。すなわち19日までです。この19日に合否の知らせが届くとの事でしたので、その日は急いで帰宅しました。ところが大学からは何の知らせもありませんでした。
翌20日は名古屋に行かなければならない用件がありましたが、新大阪駅に行く前に自宅に立ち寄りました。郵便受けに1通の封筒がありました。何故か私はその場で開封せずに新幹線の中で開封しました。「合格」の2文字が私の心の中で何とも表現できない熱い気持ちで読み取りました。

人生で一番多忙な40代に本当に通学できるのかという面接官の疑問に応える為にも、何としてでもこの4年間はやり遂げようという気持ちがありましたが、しかしそれにはもう1つクリアしなければならない問題が私の前にありました。
すなわち関西大学から入学の許可を頂いたのですが、しかし私の立場としてそれですんなりと大学に行けるはずがありません。まだ許可を貰わなければならない人がいます。それは社員さん達です。18:00からの授業の為には17時過ぎには仕事を終えなければなりません。
社会に出てからそれこそ「セブンイレブン」で働いてきた男が、急に「アフタファイブの男になれ」というのは、なかなか困難を要します。しかも社員さんの協力がなくてはできません。勿論それはお得意先様にも言える事です。夜のお付き合いも勉強会も訓練も中止しなければなりません。勿論、上場を目指している最中です。銀行関係・証券関係の方々にもかなりの迷惑をかける事になります。これらの方々の協力なくして私の大学生活はないのです。

そんな事は受験をする前に当然分かっていた事ですが、「関西大学受験」の言葉が目に入った時のあの思いは、抑える事の出来ないものがあった事も事実でした。そこで私はアンケートを取る事にしました。すなわち「大学に行ってもいい」「行ってはいけない」のアンケートです。

私はどちらも正しいと思いました。
個人の人生に対して大学に行ける環境があるならば、行けば良い。という考え方。
多くの社員を預かる経営者として、ましてや株式上場を目指している中で個人の事情などは2の次にするのは当然だ。よって行きたければ、そういう立場を外れた時に行けば良い。という考え方。
この2つの考え方を私自身で書きました。そして社員さん・お得意先様・銀行及び証券関係など上場準備をして頂いている方々、そして協力関係企業の人々からアンケートを頂き、それから入学するか否かを決めようと思いました。

但し「100%賛成」と「80%以下の賛成」は行かないでおこうと思いました。前者は正しいアンケート結果ではなく、後者は間違いなく反対の意見だと思ったからです。

大学に行く準備だけはしておく為に、入学金・授業料だけは支払いは済ませ、アンケートの結果を待ったのです。

(次回に続く)

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