代表取締役 湯川 剛

真剣に株式公開をするならば、月間半月以上経営者不在の行動は慎むべきだと銀行や証券会社から指摘を受けました。その為にまずは3ヶ月毎に全国8箇所の教室で開催していた「GAT会」の一時休業を宣言しました。
最初のうちは戸惑いもあり、むしろ時間を持て余すような状況でした。休日は休めばいいのに、長年の習慣からかそれがなかなか出来ず、何かしていないと落ち着かないような具合でした。

しかしそれもわずか数ヶ月で、元の状況に戻りました。それは「明るさの磁場」セミナー(略、磁場セミナー)の依頼が殺到したからです。第138回の「危険な状況に惑わされるな!!」にも書きましたが、「なぜ今、明るさの磁場が必要なのか」という私の考え方に共鳴して下さったのでしょうか、大阪ガス様をはじめ、多くのお取引先やGAT会の仲間からも問い合わせがありました。

バブル崩壊という状況下に相次いだリストラ・大失業者や思いもかけない大企業の倒産。異常な程に多い中高年者や中小経営者の自殺。駆り立てる不安が新聞紙面に連日掲載。
そんなネガティブな状況に惑わされてはならない。断固、私達は闘わなくてはならない。
そういった私の「明るさの磁場」という考え方が、多くの中小企業の方々に勇気を与えると、遂にはなんと「真剣に株式公開をするならば、月間半月以上経営者不在の行動は慎むべきだ」と指摘した銀行関係や証券会社からもセミナーの依頼が舞い込むような状況でした。

人間は、なんと環境に対して影響を受けやすいものかと、改めて思いました。
自分の等身大の経済能力を見失い、本来の事業をさておいて株や土地の投資に翻弄される。
あのバブル期において、そういった光景はよく見られました。当時の社会環境は、そんな気持ちを鼓舞させるような状況だったのです。実際に私の周囲にも本業でおかしくなったのではなく、投資の失敗によって倒産した経営者を多く見ました。
バブル崩壊の不況に対しても、必要以上な不安にかられ、残念ながら私の知人も2名が自殺。自ら命を絶った人に対して、私が安易に意見を述べる事は出来ませんが、ネガティブな状況にあっても何故もう少しブラスの要因を見つけられなかったのか、残念でなりません。

動く手足がある。それだけでもプラスの要因なのです。聞こえる耳があり、見える目がある。それだけでも大きな力になるのです。セミナーの依頼で私は改めて、環境が与える影響の大きさを感じました。人は四面楚歌になったとしても、必ずその中にプラスの要因がある事を忘れてはいけないし、探す努力をするべきだと思います。

セミナーを通じて数多くの経営者とお会いしながら、改めて「教える時は反省の時」と思考の傾向がもたらす重要性を認識しました。まさに「人生はプラス思考で歩きましょう!」です。

(次回に続く)

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