代表取締役 湯川 剛

1980年(昭和55年)の年が明けてからもGAT訓練及びGAT販売作戦が、大阪中心から四国・九州へと広がるにつけて、業界新聞及び業界雑誌等に毎週のように記事として取り上げられました。1月に33歳になった私は、訓練の話題が取り上げられるのに比例して、社員さん達に対しての社内教育がますますヒートアップしました。「他人様を教育するのだから、私達もしっかりしなければならない。」と見方によれば余裕のない気持ちだったかも知れません。自分自身の性格もあったかも知れませんが、多分それは年齢から来ている要素の方が強かったように思います。すなわちハンドルの遊びの部分がない感じで走っているようなものでしたが、当時はそんな事を考える余裕などありませんでした。その際たるものが「日曜勉強会」の開催です。月に1回社員さん達は自主参加の名の元に、半ば強制的に参加させられていました。今の時代なら参加者ゼロでしょう。特に教育されたのは礼儀・礼節の徹底でした。ただ勉強会の工夫もありました。それは必ず社員さんが講師となる時間でした。「教える時は反省の時」が当時流行った言葉です。時々、日本料理の正しい食べ方として箸の使い方や、フランス料理のフォークの使い方等は、実際お店でやるので結構人気もありました。
この時の勉強会の積み重ねが、後々の「我社の礼儀礼節」というセミナーの資料になり、結構、人気の講演にもなりました。私自身、今でも価値があると思うのですが、しかしこの年齢でこのセミナーをやると単なるお説教に聞こえて、価値が半減するかもしれませんが、30代半ばの者がやると新鮮に聞え、特に50〜60代の経営者の方より多くの支持を得ました。(本来は、年齢とは全く関係なく内容なのですが、やはり受け止め方が違うのでしょう(笑))

「OSGの社員さんはとにかく礼儀正しい」とお褒めの言葉をお客様から頂く事があります。OSG文化の基礎を作ったのはこの時の日曜勉強会の開催を否定する事は出来ません。時代が変わっても大事なものは大事な事なのでしょう。今では新入社員の社員教育プログラムには必ずこの「礼儀礼節」が盛り込まれています。月に一度の日曜勉強会でしたが30年近く経っても、脈々とあの時の努力が生きていると思います。「もしOSGを辞めたとしても、ここで教育されたものは、次の職場で必ず生きてくる。特に礼儀礼節はそうだ。」との信念は、今もって先輩社員達が受け継いでくれています。

若さは失敗を恐れず、怖いもの知らずで何事もチャレンジするのだと思うのですが、何とこの年の4月に初めて有料の講演を大阪厚生年金会館でやるのでした。タイトルは「我が社倒産の道を歩む」ですが、当然内容は逆説的なもので、このような事をしていると倒産するぞ!!といものでした。受講料1万円になんと228名の参加申し込みがきて、怖気づきました。
当時の日記に「若さと勇気に期待」「非力を知りつつ、敢えて荒野へ飛び出す」「ここまできたら命がけ」「男らしさとは自己犠牲」など、自分を奮い立たせる言葉で溢れていました。

全て勉強です。そういえば、「夜間勉強会」というのもあったかな(笑)

(次回に続く)

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