代表取締役 湯川 剛

社内の雰囲気が一変し、社員教育の大切さを知りました。同時に商品との出会いが会社の方向付けを一変する事も、この時期に経験する事になります。特に社員教育はとんでもない二次的効果をもたらしました。会社にいろいろ出入りされる業者の方や銀行関係の方々が、「会社は変ったね」と言われ、挙句の果てにどのような社員教育をしているのか、見せて欲しいと言われました。別にコソコソ隠れてやっている訳ではありませんが、だからと言って他人様に見せる程のものでは・・・と思っていましたので、いつも笑いながら済ましていました。しかし余りにも多くの声があったのと、社員教育後の新入社員の採用もあり、新入社員教育を公開教育として強く希望されていた数社の方を招待しました。その中にガソリンスタンド(以下、GS)の経営者もいました。

当時のGS業界は日本の高度成長と共に、自動車が広く生活の中に普及していく中で拡大し続けていました。しかし前年の昭和52年は、昭和48年に続く第2次オイルショックで、これを境にGSはサバイバル時代に突入していく訳です。当時のGS経営者の方から聞く話によると、「GSにひやかしの客はいない、必ず何リッターかは買っていく」との事。しかし時代の流れは、接客マナーや販売力をGSマンに求められてきたのです。社員教育の必要性が問われてきました。私達の社員教育を見られ、「我社にも是非、社員教育をやって欲しい」という事でした。当然の事ながらお断りしました。社内教育と社外教育の教育とは全く意味が違います。まして31歳の私が出来る訳がありません。しかも社内教育すら数ヶ月も経っていな訳です。ところが何度も来られ、あまりの熱心な申し入れに、条件付でとうとう引き受ける事にしました。その条件とは、単に社員教育を引き受けるのでなく、その教育の成果を現場で実績として作り上げる事としました。たとえばオイルの実績が上がるところまで見届けるという訳です。その理由は簡単です。私達は社員教育をする会社ではないからです。実践の中で成果を作り上げいく販売会社を経営しているからです。GSの経営者は「それは尚嬉しい」との事で、過去最高のオイル販売の実績を超える事を条件に引き受けました。もし失敗したならば、費用は要らないという事で、更に喜ばれました。

「人生は出会いだ」と言われますが、まさかこの社員教育を引き受けた事が、それから15年以上にもわたり、GS業界をはじめ他の業界に対して社員教育をしていくなど、ゆめゆめ思ってはいませんでした。勿論、低周波治療器もこのGSとの出会いによって、大きな実績に繋がるなど想像以外の何ものでもありませんでした。
ちなみに、引き受けた社員教育の結果、驚異的な実績が上がり、それが産経新聞に掲載され、続けてGS業界紙に掲載された事で、全国のGSから社員教育の問い合わせが殺到したのです。

31歳のこの年から15年以上、経営と教育という二足のわらじ$カ活と休日のない生活が始まるとは、露ほどにも思っていませんでした(笑)。
訓練名をGAT訓練(グレート・アクション・トレーニング)と名づけました。

(次回に続く)

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