代表取締役 湯川 剛

仕事を終えた後、社員さん達は侃々諤々喧々囂々と「独資による社名変更」に対し、議論する事を楽しんでいました。以前の「天然三愛」の社名は、香港の上場会社の社名「天然」と「OSGコーポレーション」の合資会社で互いの社名を盛り込んだ形にしようとしました。当時も中国では「OSG」というアルファベット表記が出来ない為に「天然欧艾斯奇」という中国語表記のアイディアも出ましたがしっくりいかず、OSGの経営理念である三愛精神(人を愛し仕事を愛し人生を愛せ)を活かそうという事で「天然三愛」となりました。
社名の発音を軸に考えるのか、それとも漢字が持つイメージによって事業内容や製品を表現する事を優先に考えるのか、なかなか結論が出せず、まずは発音中心か、製品や事業内容を優先するかの方向性を決めた上で検討する事にしました。

その報告を受けて私は「人の名前は一生もの。会社の名前も出来れば一生ものでありたい。私の理想は『コカ・コーラ』の『可口可楽』だ。もう少し議論してくれないか」と伝えました。最初は楽しく議論していた彼らもなかなか決まらないので、半ばテキトーな雰囲気になってきた為に「名前は一生もの」の発言をした訳です。そして私は続けて提案しました。

「我愛水機(ウォー・アイ・スイ・ジー)はどうだろう」と私はチームのメンバーに投げかけました。これならなんとなく商品や事業の内容が分かります。呼び名も(ウォー・アイ・スイ・ジー)で何となく「オーエスジー」に近くないかと伝えました。
「我愛你」(ウォー・アイ・ニー/私はあなたを愛しています)という言葉は、日本人でも知られているので、「我愛水機」は理解されていると思ったのです。

しかし日本的に訳すと「株式会社私は水機を愛している」という社名になるのでチームのメンバーが少し抵抗しました。
その時、誰かが「〝我〟を〝欧〟に変えればどうですか」と声を上げました。中国では欧の文字は外国企業のイメージがあるというのです。そしてこう続けました「〝水機〟は製品そのものをイメージし易いですが、〝水基〟とすれば〝水の基地〟というイメージになって更にいろいろな水関連製品に広がりを感じさせると思います」との意見が出ました。誰一人反対意見を上げるメンバーはいませんでした。勿論、元々の提案者が私だったからかもしれません。

「欧愛水基有限公司」が社名として決定有力候補の雰囲気の中、不思議なものでチームのメンバーが口々に「欧愛水基」の言葉を使って、あぁでもない、こうでもない、こうすればいい、ああすればいいといっている間に、だんだん「欧愛水基」の言葉が馴染んできました。

「欧愛水基」(ウォー・アイ・スイ・ジー)は、漢字から水関連機器を取扱っている会社である事がわかると思います。問題は発音です。「OSG」(オー・エス・ジー)の「O」と「ウォー」は何となく似ています。「G」と「ジー」も何となく似ています。問題は「S」と「アイ・スイ」ですが、社名を「欧愛水基」に決めてその方向で動きました。この社名に辿り着くまでに数ヶ月かかりました。
ちなみに社名変更から10年が経ちましたが、現在では殆どの代理店は我社を呼ぶ時「欧愛水基」とは呼びません。「欧愛」と親しく呼んで頂いています。

(次回に続く)

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