代表取締役 湯川 剛

馬場アクアC社長が高山アクアC大阪支社長(仮名)を伴ってOSG本社に訪ねて来たのが2月21日です。会議の目的は、前回2月3日に話し合った「新生アクアCに対して、OSGと何かジョイントが出来ないか」という件に関しての2度目の会議の為です。
前回の会議(第279回掲載)の内容を再度互い理解出来るようにと、今回は図式にして説明しました。OSG7階の会議室は、ほぼ壁一面が180cm×330cmのホワイトボードになっています。そのホワイトボードに新アクアC本部とOSGがジョイントした場合の組織図を書きました。
こうして組織図を書いてみるとそれぞれの役割や位置関係が良くわかりました。
新アクアC本部の下に従来の加盟店があり、同時に本部と加盟店の間にもう1本の線があり、そこにOSGアクアC本部があり、その下にOSGが募集する加盟店がある組織図でした。
勿論、外部から見た場合、加盟店そのものは一本化され、水の成分やブランドは統一されている訳です。当時は新アクアC本部の下に65社の加盟店があり、当然の事ながらOSGアクアCサブ本部の下には加盟店はゼロです。

その図を見ながら、高山支社長は「もしこの組織図でやるとした場合、OSGは何社の加盟店を集める予定ですか」の質問に、私はすぐさま「まずは5年で50社は可能」と答えました。
すると支社長は「下手をすればOSGの方が、加盟店が多くなる場合もあるのでは」に私は「貴社にとって大変喜ばしい事ではないですか」と答えました。あまり喜んでくれない表情に私自身、この構想はダメだなと思いました。
アクアCジャパンを多額な金額で落札し、OSGは出来なかったのに本部業務を担当する等、都合がよすぎる話だと思われたのでしょう。でも拡大は出来る訳です。

馬場社長は最初からサブ本部案にはあまり関心が無いように見受けられました。私に対する質問は2点でした。1つはプラントのメンテナンスが可能かどうか。
旧アクアCジャパンのメンテナンスが金沢の業者1社に委託している事が不安材料との事です。その質問に対し、回答は可能である。ジャンルは違っても水関連事業として当時は35年の経験がある訳で、少なくとも親会社ミカンガスのプロパン業者よりはそのキャリアはある訳です。
残る1つは相変わらず都内の加盟店を引き取って欲しいとの事です。

会議は、サーバーの価格やメンテナンスの費用等、細かな打ち合わせも提案され、OSGで同席した幹部社員とも意見交換をしていました。OSG側からはプラントの改善等を提案しました。
いずれにしても「OSGと何とかジョイントが出来ないか」の考えは一致していました。
OSG側は本部業務を行なう事がメーンとして意見を述べていました。それに対してアクアCの考え方は「もしOSGがサブ本部の仕事をやるならメンテナンス分野」であり、本部業務そのものをやって貰う事にはあまり関心がなかったようです。

アクアC側は壁一面に描かれた組織図を見て馬場社長が「まずは加盟店でこのビジネスを覚えてくれませんか。その後、OSGさんが言われるところの本部業務はその時にお互い協議するという事でどうでしょうか」と2時間に亘る会議が終了しました。
私もまず水宅配ビジネスの第一歩を歩むならそれもありかなという方向に変化しました。
すなわち「現場を知る」という長年の経営の根底にある考えが、そのような気持ちに変化させたのでしょう。そして一大加盟店になって水宅配ビジネスに参入して「アクアC」のブランドを日本一にし、末端の加盟店の中で最有力加盟店になる事も1つの道だと思いました。

何せ最初にこのビジネスをやってみたいと心を動かされた中の1つに、アクアCのデザインに興味を持ったものです。このデザインを製作された本人とも話をしましたが、「本当に素敵なデザインだ」と率直に評価した事を今でも覚えています。
帰り際、馬場社長は「3月末までにOSGが都内の加盟店か、もしくは大阪でもいいので加盟店になって貰えないか」と期限を切って帰りました。

(次回に続く)

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