代表取締役 湯川 剛

私の気持ちは、新生アクアC社と組んででも水宅配事業に参入するとほぼ固まっていました。そんな気持ちになっている私にとって、自身の性格上から見ても新生アクアC社誕生という重要な時期に分裂を企てるアタックの行為は、何より許せない事だと感じていました。
勿論、アタック側には私の知らない事情もあるでしょう。旧アクアCジャパン消滅を機に別組織を構築して、水宅配ビジネスを更に大きくしたいという判断は、ビジネス上で考えた場合、決して間違っていないと思いますし、その点において批判しているのではありません。しかし「本来であれば苦しい時こそ一致団結してアクアCブランドを守るべきなのに・・・」という思いがどうしても私の中で勝っていました。
新生アクアC社にとって「アタックがアクアC社を脱会し、それに同調する加盟店もいる」という非常に暗いニュースは、既存の加盟店にとって不安倍増の一因となるのではないか。私が心配すべき事柄ではないと分かっていても、頭からその思いは離れませんでした。

「旧アクアCジャパン消滅下、OSGが新生アクアCに加盟店として参加」というニュースは暗く沈んだ加盟店にとって朗報ではないか。
「旧アクアCジャパンの全在庫を引き取ってくれないか」という小早川代表の話も、これから「アクアC」ブランドで仕事をするならば、決して他人事では済まされない事だと思いました。

「旧アクアCジャパンの在庫が残っているらしいが、何故ミカンガスは引き取らないのか」
馬場社長に質問すると「在庫のサーバーは旧型で、充填機等は現在、新設プラントの案件もないので引き取らない」という返事でした。

「旧型サーバーであっても押さえておく必要がある。万が一、旧型サーバーが市場に流れないという保証はない。もしそんな事があればアクアCブランドに傷がつく。製品のブランドとはそういうものだ」と伝えましたが、馬場社長は「引き取らないのは親会社ミカンガスの意向だから仕方がない。必要ならOSGが引き取ればどうか」と、アクアCの姿勢が変わる見込みはなさそうでした。
私は翌日、小早川代表に「その在庫に関心がある」と返事をしました。
2月14日、下川氏より「プラント関連機器が10基ある」と電話で知らされました。

そんな時、大手LPガスの岩村産業(仮名)の粟山氏(仮名)から「会わないか」と電話がありました。粟山氏とは、岩村産業の営業本部長時代に「岩村産業2000年キャンペーン」で大変お世話になった間柄で、2月17日に会う事になりました。

久しぶりに会った粟山氏から名刺を貰うと、岩村産業の子会社で岩村物流(仮名)の社長をしているとの事でした。
「実はこの物流会社で水宅配事業をやっているのだが、是非ともOSGで手伝ってくれないか」粟山社長は私にそういいました。奇遇といえば奇遇な巡り合わせです。
事業領域拡大の柱として、私が本格的に水宅配ビジネス参入を考えているという事を知るのは、極一部の幹部以外に知らない話です。そんな中でのお誘いでした。

「水宅配事業を手伝ってくれないか」の粟山社長からの話で、私は「事業領域の拡大の具体的なビジネスとして水宅配事業参入の決断は間違いない」と確信を持ちました。

私は新生アクアCとの間で多少なりともブランドに対する考え方の温度差を感じながらも、OSGの役員会に「水宅配事業参入の可否」を議題として正式に提案しようと思いました。

(次回に続く)

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