代表取締役 湯川 剛

上海でのお客様大会に参加した翌日、私は金菫事長とT社の本社がある珠海に向けて飛びました。上海から飛行機で約2時間。
珠海空港に到着するとT社幹部やT社の女子社員が花束を持って迎えてくれました。
上海代理店同様にこの珠海でもお客様大会があるとの事で、いきなり会場に向かいました。
車中で上海のお客様大会の時と同様に、メモを渡されました。上海と違うのはT社の地元での開催なので、市の最高幹部や中国国家衛生部(日本の厚生労働省にあたる)や中国保健協会の責任者、地元の消費者センターの責任者等も参加するとの事です。来賓の顔ぶれから上海のような50名程度の規模ではないと予想しながら会場に着きました。
会場では、鮮やかなチャイナドレスを着たT社の女子社員さん達が横一列に並んで、私達の到着を迎えてくれました。大広間の入場扉の前で少し待つようにと言われ、金菫事長と待機。

扉が開いた瞬間、湧き起こる拍手に私は圧倒されました。拍手する人垣の間を金菫事長の後に続いて歩く訳ですが、あまりにも広い会場とその人の多さは、私の予想を超えていました。
後から人数を聞くと500名程はいたとの事です。
準備された椅子に着席したところ、秘書から立つように促されました。私達が入場してきたのと同じように市の最高幹部や行政責任者等が入場してきました。私もつい拍手をしていました。
拍手をしながら「これは上海と同じように弊社の製品を買って頂いたお客様以外に不具合製品を買ったお客様もいて、そのお客様達に下取販売するのかな」と心の中で思っていました。
それにしても行政の最高幹部を来賓にしてこのような集会は日本では考えられない事です。
金菫事長の挨拶から始まり、行政の幹部や衛生部・中国保健協会、そして消費者センターの責任者の挨拶が続きました。

私は全ての来賓の話の内容を通訳して貰うよう、呉秘書に頼みました。
通訳によると、市の幹部はT社の活躍を褒め、衛生部や中国保健協会の責任者はT社の健康産業参入を称え、そして消費者センター責任者はT社のアフターサービスを評価した内容でした。不具合を出した事よりも、それを対処する姿勢を評価する事に文化の違いを知り、中国の一端を見た感じです。そして私の挨拶です。上海の時と違ったのは尊敬する金菫事長から始まり、尊敬する○○様、尊敬する○○様と来賓の一人一人の名前がメモに入っていました。
勿論、来賓も同じような内容で、その中には「尊敬する日本OSG公司の湯川社長」が入っていました。

セレモニーが終わりました。その後に来賓らと昼食を共にしました。
当時2003年9月頃は今日のように日中関係がまだ悪化していない良好な時です。
食事中での来賓の方々の話は専ら「日本製品は素晴らしい。安全である。細かなところまで気配りをしている」等、日本製品賛美が続き、それぞれの来賓は自分が使用している家電製品はソニーだ、パナソニックだ、サンヨーだと競い合いながら話していました。

私は食事をしながらずっと午前中の会場の事を気にしていました。呉秘書に「本日も全てアルカリイオン整水器のお客様ですか」「やはり下取り販売するのですか」と尋ねました。
すると「本日参加されたお客様は全て整水器のお客様ではありません。寝具のお客様も参加されています。これ程の人数の場合、下取りだけでなく寝具のお客様にも整水器を販売すると思います。間違いなく100台は売れるでしょう。これも湯川社長が参加して頂いたおかげです。」

私は市の幹部や行政の責任者等を来賓に招き、このような販売をする中国のしたたかさや販売力の凄さも全身で感じました。「これは凄い事になる」

(次回に続く)

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