代表取締役 湯川 剛

9月1日の役員会で「我々は株式公開企業としての使命がある。そして株式公開企業としての誇りがある。」と、この2点を強く言いました。今までにない課題として一株当りの利益確認等も議題に上がり、新たに次の目標に向かって進んでいこうと話し合いました。 最後に株式公開実現に対し、改めて多くの皆様へ感謝の意を表す為の記念パーティーをどうするのかという議論になりました。
多くのお客様や販売店様、そして協力関係企業の皆様のお陰で株式公開実現を成し得た事は当然の事。当初10月に株式公開記念謝恩パーティーを行なう予定にしていましたが、その席上で私は「株式公開記念謝恩パーティーは行なわない」と発表しました。

理由は、公開後に不運にも消えていった企業があったからです。何らかの不祥事で退場させられた企業もあり、また経営者が上場後に経営権を他社に売却したり、私には考えられない企業の実態や経営者の姿がそこにありました。
横綱 曙が引退時に残した言葉ではありませんが、株式上場を維持する難しさや厳しさもをこれから体験し、どのような障害や問題が起こるのかもしれないのです。考えた末「上場10年を維持する企業としての成長を見て頂いた上で、感謝のパーティーを行なう」と決めました。
株式公開後、10年も経てから謝恩パーティーを開催するという発想は、非常識だと思われるかもしれませんが、私は「創立40周年を目途に実施しよう」と全役員に伝えました。

その代わり2000年2月1日「株式公開が実現出来たらビールかけを全社員で行ない、それをギネスに申請する」(【第188回:二兎を追うのがOSG】2012.11.15掲載)のは、約束通りに実施しようと言いました。
日取りは、弊社の創立記念日と同じ位に重要な決起の日(11月11日)に出来ないかとカレンダーを確認。日曜日だという事でしたがまずは実施日を決定し、この瞬間、上場して初めて全役員の満面の笑顔が会議の空気を明るくしました。

「記念のシャツを作ろう」「場所を探そう」「11月は寒いぞ」「ギネス申請はどうすればいいのだ」「ビール1000本だと幾らするんだ」「猪木さんも呼べるか」「全国からどのように全社員を集合させるか」「遂にビールかけを見る側でなく自分達でやるんだ」と、ビールかけに向けて思いは膨らむ一方でした

私はこの時、初めて「上場してよかった」という感情が腹の底から湧き出るのを感じました。

この9月1日の役員会からわずか10日後の9月11日。
あの米国同時多発テロが発生したのです。

(次回に続く)

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