代表取締役 湯川 剛

弊社の営業部門を業務別に大別すると、スタッフ業務とキャスト業務、そしてメンテナンス業務に分別されますが、2月3日(土)からの合宿はそのスタッフ業務所属の社員さんの参加で行ないました。
合宿初日は、何と通常業務を終えての夜8時開始というハードなものでした。
当時の資料を見ると具体的な仕事内容を検討するというものではなく、基本的事項を合宿の課題に設定。全員で検討・ディスカッションする内容が中心で、上司が一方的に講義をするスタイルではありませんでした。

例えば、「問題@ スタッフ業務とは何か。その業務の本質を考えよう」というような内容です。
1グループ:8人程度で数組に分かれ、課題に対して全員が発表する形式を取りました。

本来であれば、上場実現可能か否かを問われるこの時期に、何より重要な課題は売上構築・利益の確保です。
「上場するにはやはり売上であり、利益が何よりも影響する。上場に相応しい企業として、全てに満点を求めるのは理想だが、なかなか出来る事ではない。多少の難があったとしても利益は七難を隠すといわれる」等と証券会社の関係者からも言われたことがあります。要するに、収益を生まなければ上場企業として価値がないという事でしょう。
上場するにあたってのアドバイスとして多少の疑問を感じはしましたが、市場が求めているものとして理解しました。

日中は収益を追う事に専念しましたが、やはり合宿では基本的な事を改めて見直そうと思っていたのか、当時の資料からは「基本中の基本」を合宿の課題としていました。

それにしても日中クタクタになって働き、そして夜8時からの合宿参加は社員の皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいで、「いつかきっとこの大変な経験は、花と咲き実を結ぶのだ」と信じるしかありませんでした。
初日目が終わったのが何と午前2時。風呂も入らず、文字通りバタンキューの状況でした。

2日目の合宿でも1つの問題に何と6時間も費やし、全員で話し合っている事が当時の資料に記録されています。
「商品生産にも工程があり、映画にもストーリーがあり、スポーツにも試合の展開がある。スタッフ業務にも『筋書きのないストーリー』がある。だからこそ確立したものをしっかり事前に組み立てて仕事はするものだ。」この問題に対して回答せよとの内容でした。

現在、12年前の合宿資料を見るだけでも当時の熱気がムンムンと伝わってきます。
真面目に実直に「基本中の基本」を上場に挑む前に見直そうという思いがヒシヒシと伝わってきます。日中は数字を追いかけ、夜に全員が集まり「我々の業務とは何なのか」を話し合い、薄っぺらい貸し布団に身を休め、そして翌日の朝早々にまた話し合う訳です。

そんな頑張っている社員さん達に、私は2日目の朝礼に何とした事か、「創業以来のチャレンジ精神で今期は楽しんでやろう。もしこのチャレンジ精神を放棄する者はこの朝礼の場から去ってもいい。」と言ってしまったのです。

(次回に続く)

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