代表取締役 湯川 剛

第31期スタートは、同時にオムコ再構築を手掛けるスタートの年でもあります。
2月に入ってからの私のスケジュールの殆どは、オムコ案件でした。
2月17日にオムコ連絡会議を開催し、段階的構築で進めていく事にしました。
第1段階は存続か消滅かを区分けし、社内外において同じチームで働けるのか、またこのチームに協力してくれるのか否かを見極めようという事でした。
第2段階で堕ちたオムコブランドの浮上対策を行なう事にしました。

まずオムコ社員さんには経営理念から教育をしました。社風や企業文化の違いが、正直、私の心をイラつかせました。しかし彼ら側から考えてみるとカルチャーショックだったのでしょう。しかも工場内(川越)の人は余り馴染みの少ない関西風に戸惑いがあったのだと思います。
だから引継いだ時に残っていた幹部や社員さんの中にも、企業文化の違いで1人2人と去っていきました。私は密かにこの社員の中から経営幹部になる人材を育成しようと決意しました。ちなみに12年の歳月を経て、2012年にこの会社の全役員はオムコ出身の社員で構成され、中にはOSG関連会社の社長になるとはまさかこの時、彼らは想像していたでしょうか。

オムコ案件スケジュールの大半は全国のオムコ販売店様への訪問です。
まずオムコ販売先に対しては、「2000年もオムコです」というコピーを掲げ、全ての販売店様にハガキを配布してから、訪問しました。
訪問してみるとオムコと販売店にある過去のいろいろな問題は、引き継いだOSGに責任があると言われ、返品や不具合問題などがあちらこちらで言われました。相手側の立場になると多少理解するところもありましたが、一方的な要求に困りました。
あれ程、年末には「OSGさんが引受けて欲しい」と懇願していた販売店さんも、いざ引受ければ掌を返すようで、その身代わりの早さに困惑を越えて笑ってしまいました。

困ったといえば、部品・金型の協力関係のある会社は、製品の金型をOSGに見せないとの一点張りで、話しが一向に進みませんでした。
理由は創業者に恩があるのでOSGには協力しないとの事でした。この会社には大変困りましたが、しかし本質的には義理堅い会社だなぁと感心するところもありました。こんな義理堅い協力関係会社の為にも倒産は罪なものです。ちなみにこの会社の経営者とは、現在はどこの協力関係企業よりも親密です。

一番困った事は創業者であり経営陣のご兄弟の対応でした。会長である兄と社長である弟が仲違いをして再建に大きな弊害を与えていました。
もつれた糸をひとつひとつ解しながら、一着の服を編み上げるようにしなくてはなりません。
相手側に立ってみれば、一つ一つの思い入れがあり一つ一つの積み上げがあったのでしょう。それを他者から踏み込まれているような気持ちがするのでしょう。分からない事もありません。
社員さん達への思い出。販売店さんや出入り業者さんへの思い入れ。具体的に言えば、机や書庫など他者が使っていると面白くないのだと思います。

だけど、その思い出の社員さんや思い入れの販売店さんや業者さんに明日に向かって歩いてもらう為にも、時には私心を捨てて協力するものだと思います。あまり見苦しい行動は倒産という悲劇のシナリオが、更に最悪な状態になるのではないかと思いました。
倒産という経験は誰もしたくはありません。倒産した時の対応は誰も分からないのだと思います。しかし倒産したことが最後ではないのです。次があるのです。醜い対応は次のステージにも影響を与え、素晴らしい対応は次のステージで協力しようという気持ちにも湧いてくるのですが、これはなかなか難しい事です。こんなギリギリの状態だからこそ、その人の生き方が出てくるのです。

例えば、突然お金持ちになるとか、逆に財産を失うとか、大病にかかるとか、窮地に追われるとか、一夜にして有名になるとか。そんな有頂天やどん底に出あった時、人はそれまでの人柄が180度変わるのを私は多く目撃してきました。それと同じようなものです。

私は幸いに18歳で父親の倒産を体験し、同時に倒産後の対応を見て、所詮は「人の生き方だ」と教えられたものです。

 

追記
11月4日、今年3回目のフルマラソン42.195kmを完走しました。
タイムはいつものようにナイショです。(6時間台)
本来は3回目を大阪マラソン出場と密かに計画していましたが、残念ながら抽選で落選。
急遽、大阪淀川市民マラソンのフルマラソンの部に参加しました。
これでお正月に社員さんに約束した「今年はフルマラソン3〜4回参加します」の3回目出場をヘトヘトながら約束を守りました。
12月9日にいよいよホノルルマラソンが始まります。
今年も新卒社員の皆さん23名と全員完走を目指して頑張ります。

やります!出来ます!頑張ります!!

(次回に続く)

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