代表取締役 湯川 剛

「被災地されたお客様を対象に浄水器を無償で交換する」

その報告を、大阪ガス住宅設備の本社を訪れ、N社長に伝えました。
N社長は「OSGさん!本当か。ホンマに無償なんか。ホンマやな。」と私に3度確認されました。私も「はい。MAX2万台。どれだけ交換依頼があるかは分かりませんが、ホンマです。間違いありません。」

私にとって大阪ガス様(略、大阪ガス)が弊社の商品を取り扱って頂く事が決まった日の喜びは、生涯忘れられるものではなく、そのご恩返しをたとえ万分の一でも出来るとしたら、それは今この時以外にはないだろうと思いました。

私が初めてビジネスの中で「大阪ガス」を意識したのは、創立2年目の時の事。

現在であれば殆どの人が「浄水器」を認知していますが、設立当時は「ソレ、ナニ?」というそんな時代でした。如何に訪問販売は辛く、如何に訪問販売でドアを開けて貰う事が難しいか。骨身に沁みていたちょうどその頃。浄水器を携えて、八尾市の雇用促進住宅で1軒1軒訪問販売をしていました。その同じ促進住宅で「大阪ガスです」の一言でドアが開かれ、営業マンがスムーズにお客様宅に入って行く場面に出会ったのです。

「大阪ガスは凄い。社名を言っただけでドアを開けて貰えるんだ。」
「大阪ガス」という社名に対して「憧れ」のような思いを抱いたと同時に、またそれはある種のショックでもありました。辛い訪問販売を体験する私にとって衝撃的な出来事です

「分かりました。その家庭用浄水器は大阪ガスで取り扱いましょう」
そう言って頂いたのは、あの促進住宅から20年後の事でした。
20年間憧れた「大阪ガス」が、なんと私達の浄水器を取り扱って下さる!
それ程までに「大阪ガス」という響きは、私にとって他人とは別格のものがあるのです。
「MAX2万台・無償交換・数億円の損失」は、正直迷いの決断でしたが、方向が決まれば、前に進むしかありません。しかし地震発生から2ヶ月もすると、大阪ガスショップ様でも徐々にC&Cキャンペーンを再開する事になり、復旧から復興へと元の状況に戻りつつありました。
そんな折、何とした事か、「東京ガスに説明に来て下さい」との話しが舞い込んできたのです。東京ガスと言えば、都市ガス最大手です。その吉報は、大阪ガスが今回の私達の対応について、東京ガスの方に話して下さっての事だという事が分かりました。
それはまさに飛び上がる程の喜びでした。東京ガスからの連絡は、言葉で言い表す事の出来ない感動と感謝でいっぱいでしたが、同時に私達の知らないところで東京ガスに声をかけて下さった大阪ガスに対しても、その配慮に更なる感動と感謝の気持ちで溢れました。

「神様は見てくれているのだ。」
創立25周年に相応しいお祝いを、大阪ガス様と東京ガス様から頂いた。そう思いました。

「東京ガスに説明に来て下さい」その天の声に「よっしゃ〜ッ」

(次回に続く)

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