代表取締役 湯川 剛

入学手続き締め切りの3月19日までに、大学に行く、行かないを決めなければなりませんでした。

「行くか、行かないかを他人の意見で決めるくらいなら、行かない方がいいじゃないか」
「君とこの社長が大学に行こうと行かないでおこうと、そんな事は私達には関係ない。」という声が特にお客様から頂いているという社員さんからの報告がありました。もっともな事だと思いました。自分自身で勝手に決めればいい事でした。
中には大阪ガス住設のある経営陣の方から「賛成をする。しかし条件がある。それは成績表を毎回公表する事だ。」という条件付の賛成などもありました。当然、原則的には無記名でしたが名前を記入される方も多くありました。社員さんは絶対無記名で行ないました。

アンケート結果は、92%が賛成という事でした。100%の賛成は行かない、賛成80%以下も行かないという事を事前に幹部に伝えていましたので、92%は許可を貰ったと判断しました。多くの声は「1回の人生を有意義に・・・」という言葉を添えてくれていたものでした。

行く事が決まった事で、私は社員さんに「4つの約束」をしました。
@授業は最前列の真ん中に座って受ける。
(多くの人達の協力で授業を受けさせて貰っているので真剣勝負で挑むには、 教授から1mのところで勉強する)
A成績表は必ず公開する。
(賛成の条件にあった為)
B通学できる状態なのに行かない事はしない
(出張などで行けない場合は別として、行けるのに行かないのはサボっている事になる。そういうような事は絶対にしない)
Cテスト前であったとしても絶対に勤務時間中は勉強しない。
(仕事は絶対に中途半端にしない。株式上場の障害にならない。)

この「4つの約束」をまず幹部に説明し、次に全社員さんに説明をしました。
そして3月18日、入学手続きの締め切り前日に入学届けを提出しました。

1994年4月1日、18時、雨。
こうして私は、千里にある関西大学のキャンパスで若者に混じって入学式を迎えたのでした。
ここから4年間、私は今までの仕事中心とした人生から、18時から21時まで「夜間通学の場」として今までの人生から切り替えました。

(次回に続く)

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