代表取締役 湯川 剛

2月に入った頃、福岡営業所から「西部ガスも決まりました」との報告を受けました。
日本の一般家庭に対するガス供給は都市ガスが約50%、そして残る50%をプロパンガスが占めています。
関西圏の大阪ガスに続き、福岡を中心とする九州の大手都市ガスの西部ガスが決定。後は名古屋を中心とする東海の大手都市ガスの東邦ガスを攻略し、「いつかはきっと東京ガスへ」と最大手都市ガスの東京ガスへの契約に全員が燃えていました。
更に博多大丸が決まった事で、九州勢は勢いに乗っていました。大阪でも大手米穀卸業者のK米穀に加え、大手家電卸業者でも採用頂ける事になり、この勢いは全国の百貨店や米穀卸業・家電卸業攻略に波及しました。

この1993年は2〜3月度で「浄水器1万台突破だ!」と、冬場の売れにくい季節での浄水器販売としては、例年にない勢いでした。3月31日は、1万台に向けて全社員がカウントダウンに盛り上がりました。
その勢いが4月には大手自動車部品卸業の攻略につながり、あらゆる業界に営業をかけました。

OSGでは「今月の言葉」という社内標語を発表する文化があります。
1993年5月の「今月の言葉」は
本気ですれば、大抵の事は出来る!!
本気ですれば、何でも面白い!!
本気していると、誰かが助けてくれる!!
人を幸福にする為に、本気で働いている者は
みんな幸せで、みんな偉い

「勢い」とは、実に恐ろしいものだと実感したのも、この1993年の事でした。
この社内の勢いに取引先様までもが巻き込まれていく状況に対して、私は正直なところ戸惑いました。「何故」「どうして」という気持ちがずっと心の中にあったのです。無責任にも他人は「社内の雰囲気がいいから、それに周りも引きずられているだけの事。それでいいじゃないか。」と簡単に言ってくれるのですが、当の私は納得出来ず、胸に引っかかるものがありました。
「結果には必ず原因がある」という因果の法則。GAT訓練をしていた関係で、種々様々な企業との付き合いがあり、多種多様な企業の体質もつぶさに見てきました。素晴らしい経歴の持ち主が集まる幹部の人達が真剣に取り組んでいるにも関わらず、成果が今ひとつ出ない状況。一生懸命取り組んでいるにも関わらず結果が思い通りに出ない企業も多く見てきました。
訓練依頼者である経営者の方々からの相談に対し、私も当事者のように真剣に悩みました。
「雰囲気」これは何なのか。それぞれの企業にある「社内の雰囲気」これはどこから来ているものなのか。自社のこの数ヶ月の「雰囲気」がもたらす現象は何なのか。

これが後のOSGの理念のひとつである「明るさの磁場経営」の思想へとつながるのですが、そこに行くまでにはかなりの日数を要しました。

(次回に続く)

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