代表取締役 湯川 剛

私は、自身の人生の中で何かしらの危機に直面すると、それと同時に新しい展開が生じる場面にも遭遇するケースが多いように感じます。
創業時に化粧品の販社が思わしくなくなった時には、浄水器との出会いがありました。そしてその後、浄水器の認知度が低いが故に誤報記事が新聞に掲載されて、経営危機に陥った時にも低周波治療器との出会いによって救われました。しかもそれらの出会いに対して、自らが努力したという経過はありません。むしろ向こう側からやってきたような感じです。
「猪木のリズムタッチ」と銘打って莫大な費用をかけ構築した低周波治療器の市場は、大手企業の目に留まるところとなった為に「主力商品撤退」を余儀なくされるという危機に陥ったのですが、しかしそこにも新しい展開が待ち受けていました。

「捨てる神あれば拾う神あり」の諺ではありませんが、私の元に朗報が舞い込んで来ました。それは「浄水器の公的基準確立」に関する情報で、日本水道協会の「浄水器型式審査基準」が施行されたというものでした。
かつて浄水器は水道局当局からすると、どちらかと言えば歓迎されるような商品ではなかったかと思います。その為か、時々浄水器に対するネガティブな情報が流布される事があり、販売する側にとっては非常に厄介な障害でした。ところが、ここに来て「浄水器を認める」というので、私は正直なところ驚いたのです。
低周波治療器「リズムタッチ」を大々的に販売していた時でも、決して浄水器を手放していた訳ではありません。あの苦しかった創業時にご購入頂いたお客様に対する感謝と責任感から、怠る事なくメンテナンスの定期訪問は終始変わらず続けてきました。採算が合わなくても「認知度が低い時に買って下さった」という気持ちが、私を支えてくれていました。浄水器の販売からリズムタッチの販売に切り替えて10年以上経ても、一途にメンテナンスだけは途絶える事無くやって来た事が、ここで今再び浄水器に光が当たる環境に出会えたのだと思います。

「世間的に認知度が低い浄水器を会社の主力商品には出来ない」と判断した頃に出会い、その後10年以上もの間、会社を支えてくれた低周波治療器。そんなリズムタッチに替わって逆に今度は浄水器を、OSGを支えてくれる主力商品として位置づけるべきではないのか。
「再度、浄水器に経営資源を集中させよう。」それが私の下した経営判断でした。

「浄水器に対する環境が変わったのだ。この10年で浄水器の必要性が、やっと認められたんだ。さぁ、今までにない発想で新しい浄水器を作るぞ。」と幹部に伝えました。そして更に
「決して低周波治療器市場から完全撤退するのではない。恐らく大手T社の低周波治療器もいずれはT社が取扱う1商品でしかなくなる日が来る。いつまでもテレビCM販売はやらない筈だ。彼らと我々とは製品に対する思いが違う。我々はその1品に企業の生命線を託すが、彼らにそういった商品への思い入れはあまり見受けられない。いつかまた再び低周波治療器が必要になる時が来るかもしれない。それまでは新しい浄水器に息吹をかけ、日本にない浄水器の製販システムを作ろう。」会社自体が明日に向けて、何か明るい指針が出来たような気がしました。

ところが、事は簡単には運びませんでした。次なる試練が私達を待ち構えていたのです。

(次回に続く)

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