代表取締役 湯川 剛

20年振りに大阪で「国際花と緑の博覧会」が開催されることになりました。以前もお話したようにOSGが創立した1970年には「日本万国博覧会」があり、妙に万博に対して意識がありました。「関西の中小企業が集まるパビリオンもあればいい」と、未来指向型企業グループとして「100年先のの〜んびり村」というパビリオンが開館され、参加の依頼がありました。
参加企業には、結構有名なコーヒーメーカーや日本酒メーカー、それに日本を代表するブライダルデザイナーなども名を連ねていました。私は企画委員長としての役割を担いました。

OSG社内では「花博キャンペーン」を略して「花キャン」という名称の販促を行ないました。
また企画委員長として、花博のテーマである「自然と人間の共生」の元にパビリオン内で2大シンポジウムを開催しました。
ブラジル育ちのアントニオ猪木氏による「アマゾンを語る」を6月2日(土)に開催しましたが、超満員で入り切れませんでした。
7月1日に私はアマゾン・シャバンテ族酋長のベンジャミン・ワッパリア氏を連れてきました。テーマは「アマゾンの自然を守れ」で、時間は通訳の事も考慮して1時間30分を予定していましたが、彼は20分位で終わってしまい私は慌てました。彼にしてみれば「文明人は、私達の自然を壊さないで欲しい」と「私達が滅びれば、文明人も滅びる」の2言だけを言いに来日した訳です。企画した私としては、それでは困るので急遽、質問コーナーを設けましたが内容は同じで、それ以上の話を膨らます事はないのです。せっかく長い時間並んで入って頂いた満員のお客様も苦笑交じりの20分間でした。

ちなみに彼らにとって数字も100以上は生活上必要ないのです。100以上は「たくさんある」だけでいいのです。日本的に言うと「星の数ほどある」という事で、事が足りるのです。
しかしそんな彼に私は、関西テレビに企画を持ち込みました。その結果「土曜大好き830」(フジテレビ系全国ネット番組:6月30日土曜日)に彼とアントニオ猪木氏に出演し成功しました。

私はパビリオン内の会場やテレビ局スタジオの隅で、彼の言葉を聞きながら「表現の足らなさも困るが、それは文明人が思うことではないか。むしろ言葉を多く知る事で現代人はトラブルや複雑な言葉にストレスを起こしているのではないか」と考えせられました。
基本的に彼は、裸に近い状態でしたので、私が着ているスーツをプレゼントしました。彼は交換に私に弓矢を渡し「これで多くの獲物を射止めた」と自慢げでしたが、後日新聞社の報告によるとスーツ姿で村を仕切っているとの事でした。

4月1日から9月末まで6ヶ月期間開催された花博でした。「花キャン」もそれなりの効果はありましたが、当然の事ながら第3次5ヵ年計画の実現には程遠く、また根本的な解決にはならず、花博終了を待っていたかのように私にとって大きな試練が待ち受けていました。

(次回に続く)

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