代表取締役 湯川 剛

OSGには「これぞまさしくOSG!」とも言える企業文化が存在します。といえば言い過ぎかもしれませんが、それには少し理由があります。
それは「是非、我社もこの制度を採用してみたい」と、100社以上の会社が導入された「OSG小さな努力賞」です。この「小さな努力賞」は創業10年目くらいに導入したもので、既に30年が過ぎようとしています。
名刺大のカードを社員さんが1組50枚200円で会社から買います。200円は印刷代などのコストそのもので、当然の事ながらこれによっての会社の収益は1円もありません。

下記のように表面に渡す相手の名前を書き、枠の中に何故この「小さな努力賞」を渡すのかの理由を書き、自分の名前を書きます。ルールは一つだけあります。誰かが「○○さんに努力賞を出そう」と呼びかけなどして出してはいけないというものです。必ず個人が判断して差し上げるものです。1枚4円と言えども、有償でしかも相手を評価するのです。簡単なように思えますが、意識しなければなかなか出せるものではありません。
カードの裏面には「小さな善意、小さな親切、小さないたわり、小さな励まし、小さな努力・・・が、やがて大きな輪になって、心あたたまる社会、職場になるでしょう」と書かれています。

5人5坪からスタートしたOSGは、社員さんに福祉らしきものは何も出来ませんでした。
貧しく小さな職場でしたが、社員さん同士の人間関係が明るく楽しくなるもので費用をかけず、だけど喜び合えるものを考えていました。それがこの「小さな努力賞」を生み出す結果となったのです。最初は勿論手作りで、画用紙などで作っていました。敢えて有償にしたのは、「費用はかかっているが、それでも他人を評価できるか」という事で開始しました。当時は期間限定のようなちょっとした社内イベントのつもりでやりましたが、何と30年も経ちOSG文化の1つになっています。

会社が社員さんを評価する時、当然の事ながら利益貢献があります。大きく売上に貢献したとか、製品開発に貢献したとかが主な評価になります。しかしそれだけが会社への貢献ではありません。例えば朝の挨拶が明るく元気であれば、それは職場に大きな貢献をしています。ところがこれが数字で現れるとか、目に見えた評価で上司が知るところではない場合もあります。
でも職場の仲間は知っています。何でもいいのです。「小さな善意、小さな親切、小さないたわり、小さな励まし、小さな努力」に値すると思った人が、渡せばいいのです。
それを30枚集まったならば本社「小さな努力賞係」まで送って貰えれば、1000円相当の図書券が私のポケットマネーで贈られます。この1000円相当というのは30年間変わりません。今は図書券ですが、開始当時は女性にはハンカチ、男性には靴下を贈っていました。何故それであったのかは分かりません。そのうちテレフォンカードに変わった時期もありました。30枚を集めた社員さんに対して「へぇ〜、こんな事をしてくれているのか」と改めて私自身が気づかない事を知り、大変勉強になります。同時に誰が渡しているのかに対しても、大変興味があります。1枚4円であれ出費して他人を評価する社員さんに、更なる評価をします。そんな「小さな努力賞」という、30年も続いているOSGの文化を全社員で作り上げた社員さんに誇りを持ちます。当然の事ですが、私もこの「小さな努力賞」を社員さんから頂きます。

omoteura

(次回に続く)

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