代表取締役 湯川 剛

横井顧問との出会いがその年の象徴であるように、1986年はそれまでの15年間とは違い、将来に向けての布石を打つスタートの年でもありました。長年の願いであった大卒の新卒社員第1期生採用の募集をしたのもこの年でした。大学生対象の本格的なリクルート活動を行ない、私自身がその責任者となりました。それ以降、2005年までの20年間はOSGリクルートチームの責任者として、我が社の宝である社員さんを学生時代から見つめてきました。
OSGを通じて初めて社会に出る学生さん達を、何としても責任を持って受け入れなくてはなりません。その為にも社員教育を欠かす事は出来ません。よってリクルートチームの責任者とは採用だけでなく、採用以降も責任者としてやらなければなりません。経営の最高責任者であると同時に、社員教育の最高責任者でなくてはなりません。

そういう意味合いから大卒新卒社員を本格的に導入するという事は、社内の社員教育を充実するきっかけにもなりました。異業種交流として他社の社員教育もしなければなりませんが、更にOSG社内の社員教育のラインナップもこの年に揃えました。しかし、そのような受け入れ態勢を整えても学生さん達が我が社に応募してくれなければ話にはなりません。
その前の年に高卒・専門学校の新卒社員さんを採用しその準備はしていましたが、とにかく応募がなければ何も始まらない訳です。
初めての企業説明セミナーを開催しました。はたして来てくれるのかどうか。祈るような気持ちでした。いくら事前に参加人数を掴んでいても、当日にならないと分からないとリクルート社に脅かされていましたので、緊張の面持ちでした。

かつて創立時の5坪の貸室で一人目の採用に大変な産みの苦しみをしましたが、その時の事を考えればテレビCMもしているので楽だという気持ちと、いやいや実績ゼロの大卒新卒社員採用は違うのだという気持ちが当日の朝まで交差していました。しかしその心配もなく、当日は予想以上の学生さんが駆けつけてくれました。私は会社説明をしながら、
「よく来てくれました。ありがとう。ありがとう。本当にありがとう。」
心の中で感謝の気持ちでいっぱいでした。この気持ちは私自身が企業セミナーをした20年間持ち続けています。ちなみに面接で不採用になった学生さんは、学生さん側に問題があるのではありません。殆どはOSG側の問題なのです。すなわち、例えば100人応募が来て20人しか採用出来ないのはOSG側の受け入れのキャパの問題です。少なくとも私が出会った学生さんで「これは不採用だ」と思った学生さんは、殆どいません。

表現の仕方が下手だとか、知識が不足している事などは社員教育でいくらでも変えられる事は多くの採用社員さんで実証済みです。もし20番目と21番目に差があるとしても、どんな差なのか、私は自信を持って説明する事は出来ません。採用に「1番目」というのはないのですが、もしあったとして1番目と21番目との違いも分かりません。事実、学生時代のイメージとは全く変化したOSGの社員さんがいて、私をいつも驚かせます。結局は採用する側の責任なのです。ちなみにこの年に応募してくれた学生さんが今、OSGの各部署で活躍してくれています。

そしてOSG2代目社長となる溝端雅敏がこの年に入社しました。まさか20年後にOSGの社長になるとは2人は勿論の事、たぶん神様も知る由ではなかったと思います。

(次回に続く)

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