代表取締役 湯川　剛

わずか数ヶ月で30名前後の部下を持たされました。私にとっては未体験ゾーンに入るようなもので、イッパシの上司気分を味わっている、そんな余裕はありませんでした。それよりも部下に対してマネージメントしなければと必死でした。
余談ですが、私は40歳になるまで電車の中やレストランなど、社外で社員さんに「社長」と呼ばれるのがイヤでした。社長や部長と呼ばれるには、それなりの資質や雰囲気が備わっていてこそ、と思っていたからです。いずれにせよ、わずかな部下でも持てば、マネージメントの1つもしなければなりません。しかし、それが出来ない。それは言葉も知らなければ、話材もないからです。

そんな思いから今までの生活とは無縁であった書店に行き、1冊の本と出会った訳です。目的からすれば、「信念の魔術」は部下のためでなく、自分のために出会ったような本でした。書店から家に帰る電車の中でも、ずっとのめり込むようにして読みふけり、その日の内に読破。読み終わった後は「この本は面白い」ではなく、「信念の魔術は凄い」と心を動かされたのです。その後、2冊目を手にするまでにはかなりの日が経っていたと思います。それくらいこの『信念の魔術』という本は私を虜にしました。もちろん、何度も繰り返し読みました。

仕事は日々それなりにこなし、借金を返せるくらいの給料を取り始めていた時に、本の235ページの「思いは実現する」という言葉に出会いました。そのとき私が抱いていた「会社を作ろう」という『念い』は実現するのではないかという気持ちになり、実験するように日々その『念い』を繰り返しました。

そんなある日、上司の吉留さんから1本の電話がきました。とんでもない電話でした････。

(次回に続く)

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